山内村立三又小学校 (みつまた)
About 山内村立三又小学校
秋田県横手市山内三又堂林にある学校跡地。1997年に山内小学校へ統合され、校舎は解体された。敷地内に体育館のみが残されて、公民館の一部として利用されている。
スポット評価
終末度合い | 17 |
訪問難易度 | 15 |
観光地要素 | 18 |
化石的価値 | 17 |
総合評価 | 67 |
村の最奥地に集落と廃校が現存するあり様、B級観光の総本山といえよう。それでいて大野小学校にも引けを取らない絶景に終末のコントラスト、我々は来るべくしてたどり着いた。
山内村立三又小学校のさじなげB級ポイント
何度も当委員会で申しているが、この世界の共通言語は英語じゃなくて横手訛りの秋田弁である。名を上げた山内杜氏たちの生まれ郷は深い雪に覆われ、もうすぐ長い冬の季節がやってくる。
滑舌もいぶりがっこも集落の奥深くへとなだれ込んでいく。毎年なぜかニュースに取り上げられるでお馴染みの百万遍念仏講だけが里山復権への数少ないチャンスである。
旧山内村の子供はめっきり減ってしまった。外山・福万にはじまり、吉谷地・松川(90年/校舎現存せず)・筏・南郷(92年/校舎現存せず)と続いて三又小が閉校している。(2001年黒沢小閉校)
逆に言えば、最奥地のひとつであるこの地がよく生きながらえていたものだ。山間部の集落では、おしなべて学校や公民館を存続させるべく地域住民が尽力するものである。故郷を衰えさせたくないという気持ちは真の田舎民であれば全員が抱く感情といえよう。
50人もいない集落。冬期間には東成瀬村入道への山道も閉ざされ、典型的な行き止まり集落となる。
最寄りの相野々駅からは14kmちかく離れており、最寄り集落の南郷とも7km離れている。だからこそ山内の風景は時代に捉われず、潤沢な緑と丘の上に残る校舎が美しい。
木漏れ日のオーパーツ
山内村立三又小学校は1997年の閉校。校舎跡地には比較的新しい山内公民館三又分館(上写真)が建てられ、体育館とグラウンドの一部が残る(携帯電話用の電波塔あり)。
一見わかりにくいが、「下タ村酒店」を目印に右折して狭い丘を登った先の左手に位置している。
あまり見たくはなかったが、敷地にはかつて通っていたであろう児童が制作したであろう石碑が残されている。卒業生が見たらいったいどんな気持ちを抱くのか、我々には想像すらできやしない。
右上にある「たむらかすみ」さん以外は名前すら解読不可能。みんな何処へ行ったのだろうか。
唯一の観光資源であった三又温泉が2013年に閉館(解体)されたことも相まって、農家民宿以外でこの地を訪れる外部の人間はほぼいなくなってしまった。
しかし我々は山内が好きだ。数えきれない歴史が明るい眺望に照らされ、愛好者たちを魅了してやまないからだ。また矢美津駅に降りれる世界線を楽しみに待っている。
【2023.04追記】
横手市のホームページにて、2023年3月をもって閉館している事実が確認された。
更に吉谷地小も併せて閉館。山内にはもう利用者すらいないということか…。
【2024.10追記】
2024年6月のすがた。体育館内部はガラスの隙間からなんとか撮影できた。
昭和初期建築の校門は周囲の草が刈られ、新たに木が植えられていた。
横手市の入札上では解体予定にあげられているが、今季はなんとか持ちこたえているもよう。