廃村 田代町木越 (きこし)
About 廃村 田代町木越
秋田県大館市(旧田代町)外川原字木越沢にある集落跡地。最盛期6戸で、1970年に集落再編成事業によって無人となった。現在も一部の建物が残っている。
スポット評価
終末度合い | 15 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 14 |
化石的価値 | 17 |
総合評価 | 59 |
死はいつも突然にやってくる。明日は我が身に降り注ぐのかもしれない。ブームも同じように、いつか確立された存在でも皆が忘れたとき、それは死となり果てる。
廃村 田代町木越のさじなげB級ポイント
委員一同お気に入りのタシロス、またしても当タイムズ紙に掲載されんとす。
廃墟界では田村鉄工が随一の知名度を誇っているものの、大野小や平滝分校など通好みの物件を多数取り揃える一級のB級観光地といえる。よってラブホもある。
話は飛んで、舞台は旧早口町役場から芸術的トラス橋を渡った先に移る。
穏やかな小川を1kmあまり進めば未舗装道に入り、すぐ左折するだけで廃村へと簡単にたどり着くことができる。それほど遠さは感じられないが、車や橋が発達していない時代を考えるとやや不便か。
砂のダートを100mも動けば「林道木越線 起点」の標柱が見える。詳細が記されずとも、地名がこうして現地に残されるのは重要な歴史的資料である。
軽トラックが往来している跡もあり、現在も利用されているようだ。
大長老の宝物
廃村 田代町木越は杉の沢(山田長根道の奥)と同時期に離村した集落で、田んぼの耕作はないが作業場として利用されているようだった。
「秋田・消えた村の記録」(2001/無明舎)には元住民のインタビューが掲載されており、2022年には102歳になっている計算である。そのため周辺住民か関係する親族が利用しているものと推測される。
大館市旧田代町は、旧鷹巣町と並んで離村事業に積極的な地域だった。集団移転者には概ね同一規模の集落や団地が新調され、往時の生活圏や出会いの場を維持したという。
令和の時代において、集団移転や文化の伝承を含めた事業を再度実現できるのだろうか。素朴な疑問と珍しく真面目な文章には疑念を感じてしまう。