発盛鉱山 (はっせい)
About 発盛鉱山
秋田県山本郡八峰町八森中浜にある鉱業所跡および周辺の遺構たち。1939年に閉山し、名物だった煙突も1989年に取り壊されてしまった。跡地は町営の中央公園となっている。
スポット評価
終末度合 | 11 |
訪問難度 | 10 |
観光要素 | 18 |
化石価値 | 19 |
総合評価 | 58 |
院内銀山や荒川鉱山と比べるとついぞ知られてこなかったマイナー鉱山である。それは偶然ではなく、秘匿されるべくして現代で時を刻んでいる。
発盛鉱山のさじなげB級ポイント
またしても日常はつまらないエンターテイメントにあふれようとしている。巨大なスポーツチームやハコモノコミュニティが生み出す幻想の賑わいにはもううんざりなのだ。
悲観的で陰険な大半の秋田県人は観光という認識すら忘れようとしている。そんな人たちが手垢のついたウェブサイトにたどり着いていることだろう。今からでも人生はやり直せる。
あなたが黄昏たいのなら、当委員会は八森町に来ることを勧めたい。
ブラックサンドビーチはカップルのためじゃない。ここで粉砕された鉱山不純物たちを見つめれば、素敵な夏が到来することだろう。そこに活気など必要ないのだ。
鉱業所跡にざわつく長屋の数々を見つめたとき…
それを漁師小屋と考えるか、それとも奴隷を詰め込んだブタ箱と考えるかは自由である。
そこに選択など必要ないのだ。今からでも町について調べなおせる。いつでも間に合う。
明かされなかった墓場
発盛鉱山は八森駅前で操業した鉱業所を含む一帯のエリアで、現在は公園として扱われている。中央には当時の名物だった巨大煙突を模したモニュメントもある。
1900年代初頭から1000人以上が従事し、年間5,000㎏以上の銀が生産された(当時の)日本最大の銀山ということを何人が知るだろうか。学校で教わった記憶がてんで無い。
博物館ひとつあっても有り余る要素が満載だが、廃校や公民館を活用した展示は見られない。
歴史をまとめようとした活動の形跡もあるが、それらの続報は届かなかった。
一部の書籍では戦時中に朝鮮人奴隷が扱われたという記述もあるが、当時は精錬のみを行っていたという事実だけが残るためこの町で真意を確かめることは困難となっている。
ただ、町では毎年慰霊祭が秘密裏に開催されている。犠牲者を弔う標柱が建てられているが、公的には場所が明かされていない。噂だと当時彼らを埋めた場所らしい。
もちろん、我々はそれらしき場所にたどり着いていた。
不自然に咲き誇る2本の椿、それは一体何を意味しているのだろうか…