東由利町立大琴小学校大台分校 (おおだい)
About 東由利町立大琴小学校大台分校
秋田県由利本荘市東由利宿大台70-1にある学校跡地(上画像が敷地からの眺め)。1919年に宿小学校(1981年廃校)の冬季分校として誕生し、1994年に休校(1997年に廃校)となった。跡地には地区会館が建てられている。
スポット評価
終末度合い | 24 |
訪問難易度 | 22 |
観光地要素 | 24 |
化石的価値 | 20 |
総合評価 | 90 |
当委員会4件目となる90点台をたたき出した。立地・眺望・歴史に現状全てが複雑に絡み合い、知られぬまま死にゆく宝がそこにはあった。またひとつ地元を好きになってしまった。
東由利町立大琴小学校大台分校のさじなげB級ポイント
東由利は本当にズル賢い。中心地から末端に至るまでボケ倒しているからだ。あの大内町より一癖も二癖も濁らせた景観スタイルには賞賛の二文字を送るしかない。希望という概念すら感じさせてくれない。
尋ね人を排斥するエッチなお祭りも今や昔。怪しく散らばる集落に目を向ける我々こそよそ者扱いしてくる。
本荘方面から国道107号線で東由利に向かう際、宿翁台地区で何気ない「←滝」なる不吉な青標識が現れる。その先は小道しか見えないが、ご機嫌遊ばせて登りはじめると上の通り。春めいた鳥海の昼下がりである。
ほどなく廃村貝喰を思い出す不吉なS字カーブ林へと没入する。下腹部を抑えてからひと呼吸おくことに。
400mほど急坂を登ると上画像が出てくる(ここまでストリートビューあり)。
需要を超越した案内看板が確認できる。一応峠を越えて訪問は可能だが、春秋以外の利用はオススメできない。軽トラック翁たちとすれ違える自信がある方のみご利用を。
奥に「団体営農道大台地区」とある。左に進むと、平成合併前は越境集落だった三ツ方森をなめつつ大内町滝地区へと行くことができる。しかし中央奥に見えづらい直進ルートがあり、これが旧道かつ大台の入口となる。
大台地区は台地上の土地へ這うように家屋が点在する山間部の集落である。
山焼きを伝統として紡いでおり、春先の景観こそ閉じるには勿体無い一級品だ。
通常ルート扱いの県道284号線にも一切面しておらず、時代に取り残されたという表現が相応しい。
そんな広大ながけ崩れ危険エリアの中央にあるのが、東由利町立大琴小学校大台分校である。
現在残るのは地区会館だが不自然なグラウンドと登り坂が目印、更に巨木「大台のオンコ」の一件先にあるため地区まで来てしまえば訪問は難しくない。と言いたいが地区が広すぎて捜索は事前確認が必須だ。
かつての校舎は敷地の横幅いっぱいまで広く、会館3棟分はくだらないサイズだったという。
看板などは残っておらず、せっかくここまでたどり着いたものの実感がやや薄く寂しさを感じる。
それでいて全戸を巡るだけでも10km以上かかり、小集落の模範解答のような不便さを併せ持つ。
かつての本校(2002年廃校)にも5kmの道のり+厳しい山道。浮蓋とはまた異なる苦労をにじませる大台地区を訪れる者は少ない。道中には見張り台跡の東屋もあるが、何年も利用者がいないように見えた。