ザコマ線 サムネイル

東由利ザッコ又 ~怒りの伝言ゲームミス~

東由利ザッコ又 (雑候又)

東由利ザッコ又 ザコマ線

About 東由利ザッコ又

秋田県由利本荘市東由利老方高村からザッコ又を繋ぐ電柱路線。26本が植えられ、集落までの一本道に沿って伸びている。一部で地名と電柱名が異なっており、統一感がない。

スポット評価

終末度合い21
訪問難易度16
観光地要素15
化石的価値17
総合評価69

四方八方に集落を広げる東由利地区でも最奥にある集落のひとつである。元来数戸が生活する小集落だったが、2020年現在1戸が生活するのみとなっている。

東由利ザッコ又のさじなげB級ポイント

道の駅名物の玉こんにゃくを頬張る度、東由利の静けさに悲しみを知ることとなる。去る6月には町唯一のスーパーの撤退が決定し、ローソンやアイツへの比重が甚大なものになると危惧されている。

かつては鉄道も伸びた物流の転換地だったが、盆地特有の厳しい環境はそれを許さなかった。観光資源にも乏しく、アクセスも一段と悪い。

オクラクリーンロード

そんな町の中心地老方(おいかた)から県道30号線を北に6kmあまり、法内の八本杉を見に行かず小倉集落の郵便ポストが見える住宅を右折し、「オクラクリーンロード」を1kmほど登ると分かれ道(下画像1)が出てくるのでこれを左折。

100m行くとまた分かれ道(下画像2)があり、看板がない右に直進する。ちなみに左は東海林谷地という開拓村の跡地で、1972年に全2戸が移転した。現在は釣り堀の小さな看板が立っていた。

東由利ザッコ又 道中1
東由利ザッコ又 道中2

その後すぐ作業小屋が1棟あり、300mほど進むとザッコ又に着く。建物は2棟が残るが、うちひとつは廃屋となっている。

比較的整備された道のりだが、舗装されていなければかなりの難産となる。冬期間の往来やかつての生活はとても想像できるものではない。

東由利ザッコ又 全景

ザッコ又は東由利町史(1989)でも「移転が進む辺境集落群」のひとつとして紹介されている。ほか20集落は我々が知らないものもいくつか散見された。

集落は行き止まりではなく、上画像の奥に進むとクリーンロード沿いの高村集落(4戸)に出る。東に行くと大森町武道や八沢木地区へと通じている。ちなみに高村集落手前にある木造の小屋は東由利町立高瀬小学校高村分校の校舎跡で、主に冬季分校として活用された。

恐れ多くも電柱がなければ先に家屋があるとは気づきにくい集落である。なぜか「ザッコ又線」「ザコマ線」と電柱名が統一されていないが、地名自体が地図でも誤植が相次いでいる(ザッコヌ・ザコ又等)ため仕方ないのだろうか……