滝温泉【閉館済】 ~色あせた天下の名湯~

滝温泉(たきおんせん)

滝温泉 入口

全く歓迎していない「歓迎」の二文字。今では廃墟ファン向けか。

About 滝温泉

秋田県由利本荘市滝湯ノ沢30番地にかつて存在した温泉ホテル。かつては「天下の名湯 滝温泉」のテレビコマーシャルで知られ、怪我を癒す魔法の湯として名を馳せていた。200年以上の歴史を繋ぎ続けていたが、2013年3月に自己破産のため閉館。現在も取り壊されることなく、ひっそりと身を潜めている。

スポット評価

終末度合い19
訪問難易度20
観光地要素14
化石的価値21
総合評価74

その知名度を持ちながらも、初見さんを完全に打ち砕く場所の遠さは温泉界随一か。ここに宿泊できる時代があったのかと考えるものの、今では到底想像もつかない。また、廃墟ゾーンは崩壊が進んでいるため、内部の探索はオススメできない。残り少ない命を是非その目で確かめてほしい。

特徴

由利本荘市大内エリアは北東の軽井沢から南西の折渡まで幅広く田舎道が続いている。その中でも滝温泉は見岫ハタハタ直売所手前の下川大内地区からはるか南にあり、二重にも三重にも張り巡らされた「引き返したい心」を揺さぶる廃墟界の名所なのだ。

一応南から攻めることも可能で、東由利町宿地区から走る「県道284号線」が整備されているが…酷道ともいえる狭隘ルートとなっており、道中を掟破りの地元走りで突っ切る軽トラと何度もすれ違うアトラクションが用意されているほか、大内町との境界は廃校廃村だらけなのでそれどころじゃなくなる。

滝温泉 外観

滝温泉の入口。最後までわかりにくい仕様。

北の狭隘か、南の山越えか…いずれにせよあまりオススメはできない。軽自動車が必須といえよう。

目的地が近くなると、橋とともにかつてのバス回転地が表れる。その奥に見えるのが本日のお誕生日席だ。盛大に祝ってあげよう。

江戸時代、長谷寺の開祖是山和尚が傷ついた鶴が湯で癒しているのを見て発見したといわれる鉱泉。無色透明の芒硝和泉(ナトリウムの多い硫酸塩泉)で神経痛、リューマチをはじめ、婦人病、皮膚病などにも効く。また飲めば胃腸病や便秘にも効能がある。(中略)飾り気のない浴室はいかにも田舎の湯どころといったムード。2食付き8400円~。 ※「マップル県別情報版 5 秋田県/昭文社/1995」より抜粋

滝温泉 駐車場

ここは駐車場スペース。MAX50台が停められるという。左に見えるのが宿泊棟。

衰退の理由ばかりは明らかではないが、90年代後半から県では田沢湖・角館を中心としたスポット観光が取りざたされ、(新幹線の)道中に属さない観光地は軒並み雑誌への掲載が減っていった。更に男鹿半島のナマハゲや県北大館と秋田犬ブーム、内陸線復興など複数の施策が重なった影響と考えられる。

 

今でこそ一部マニアの間で秘湯・秘境ブームが起こっているが、ここは時代が早すぎた。200年早かったのだ。 【追記】開湯年代を調べたが本荘市史では発見できず、ようやく下記の記述を発見した。二人とも誰だよ…

文化8年(1811年)/亀田藩の金右ヱ門、弥六が今の滝温泉をひらいた。 ※「わたしたちの大内町/1987/大内町教育委員会」

 

大内町ふるさと案内という激マブなサイトには往時の姿が載っているが、現在の姿と見比べるとどの位置から撮影されたものなのか判断がつかない。山側から撮影したくても、284号線沿いは深い緑に覆われているからだ。行くなよ?絶対に行くなよ?

滝温泉 本館

ガチガチのフォントたちが昭和を感じさせる。

20年くらい前までは、私の両親も稲刈り後に湯治ということで、1週間ほど泊りがけで利用していたものです。行かなくなった理由の一つとして、コメの値段が下がり農家が元気がなくなったことが挙げられると思います。以前は、ほとんどの農家の方々が湯治をして1年の疲れを癒し、訪れる厳しい冬を迎える準備をしていたのです。 ※「サークル山鳩 事務局の独り言」より抜粋

 

かつて林業が盛んだったという滝集落の人々。ここはどこか顔見知りの男たちが一堂に会し、日々の疲れを癒す広域コミュニティだったのだろうか。あふれる笑顔と秋田弁に会いたかったものだ。

ちなみに温泉の手前にある建物はかつての「東海林酒店」であり、現在も使われている一般住宅だ。当然温泉も東海林一族のエリアなのだ…訪問時はひっそりと。

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