男鹿市立男鹿北中学校 (おがきた)
About 男鹿市立男鹿北中学校
秋田県男鹿市北浦北浦山王林40番地にある学校跡地。2022年3月末で閉校し、男鹿市立男鹿南中学校へと統合された。建物と敷地は空のまま放置されている。
スポット評価
終末度合い | 16 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 17 |
化石的価値 | 18 |
総合評価 | 64 |
最新の廃校という矛盾を携えた物件である。それでいて時の速さを感じさせない面構えは浜育ちの横暴さを彷彿とする。昼下がりの北浦ほど静かで悪いものはない。
男鹿市立男鹿北中学校のさじなげB級ポイント
我々委員一同はおしなべて中学校を苦手としている。学校給食という制度があるはずなのに、あの頃水道しか使うことを許されなかったからだ。秋田には平等なる文化が欠けているに違いない。
UFO目撃を最近聞かない北浦エリアもまた然り。一度酒を飲み交わしただけで勝手に仲間扱いし、地域に若者を強引に入れ込もうとする姿勢はまさになまはげの温床。叱りが足りてない。
男鹿中浜間口の安田(あんでん)海岸から見た北浦地区である。伝説の男鹿プリや白龍閣を眺めることができるが、見どころはそこではなく約8万~50万年前の地層を見学できるジオパーク()スポットだという。
しかし一般人は地理マニアではない。神社仏閣ファンがこのサイトを見ているはずがない。行政が推し進める正式な観光に飽きている人間たちからすれば溜息がケツから出ていることだろう。
それを踏まえた上で、この美しい廃墟をご覧いただこう。
北鹿の無敵要塞を思い出すスタイリッシュな出来栄え。一見無駄なこだわりこそが人間に愛される秘訣であると死してなお伝えてくれる星人君主がここに在る。
白き紫陽花の錆び堕ちた雄姿
その見惚れる眺望には理由がある。男鹿市立男鹿中学校は、平成2年(1990)に建てられた新しい学校なのである。
男鹿市立北浦中学校と北磯中学校を統合し、翌年には戸賀中学校をも統合したマンモス校としての姿があったのだ。廃校を吸収した現存する廃校として、これはかなりの高評価ポイントだ。
その証拠に、校歌を記した石碑の裏に歴史が全然刻まれていない。まさか彼も30歳半ばにして命を絶つことになるとは思っていなかったことだろう。
おまけに閉校した旨が刻まれていない始末。弔うならちゃんと閉じてあげてほしい。
田園の奥に投げ出された北中学校。ちなみに向かいには北陽小学校があるが、卒業すると車で20分あまりかけて船川側まで投稿することになる。人口減少の波は友人関係をも破壊してしまうのか。
そして敷地内の茂みには、全くリスペクトが感じられない「菅江真澄の道~寝地蔵~」なる標柱が散見された。どれがそれで何があれなのかすらわからない。様々な歴史が断片のままでいた。