廃村 申川 ~油田も消し去る季節風~

廃村 申川 (さるかわ)

廃村 申川 廃村 拡大

急に文明ぶいちゃった…

About 廃村 申川

秋田県男鹿市野石申川にある廃村。現在ある住所上の申川はその手前を表しており、廃村はそこから海際への急な坂道を降りて行った末端に…あったはず。近年風力発電機が大量に建設され、退廃した姿さえも失いつつある。最盛時6戸、昭和52年無人化。

スポット評価

終末度合い9
訪問難易度12
観光地要素11
化石的価値7
総合評価39

5年ほど前まではわずかながら往時の家屋や小屋が生き残っていたが、その足跡さえも新たなるエネルギーの創出によって亡き者とされた。水無き洪水が歴史ごと全て流してしまったのだろうか…

特徴

当スポットは男鹿市旧若美町エリアにあり、男鹿田舎の代名詞「五里合(いりあい)」、若美メインエリアのひとつ「鵜木」、サンドクラフトで名を馳せつつある「釜谷浜」の3地点から囲まれたマイナー地区だ。

それでも大字である野石には「夕陽温泉WAO」があり、大潟村に近い県道54号線沿いには「ホーマックニコット野石大潟店」があることでその存在感をギリギリつなぎ留めている。

廃村 申川 入口

申川集落跡への入口。右の看板は現在地の現在の地名を表している。

しかしながら国道101号線にはほとんど集落がなく、大潟村方面までの台地エリアは中規模の農地が広がっている。現申川を除いて家屋も少なく、半ば孤立しているような印象を覚える。

申川廃村は、部落会館(上写真の右側にある)から砂利道を長く下っていく。

ここから急な坂を下っていくと、元の申川がある。海岸沿いに並んでいた家々は、今は見る影もなく崩れ落ちている。(中略)菅江真澄の『男鹿の春風』にも紹介されており、海から引き揚げた節木の槌を(神社の)ご神体にしているという。 ※「秋田・消えゆく集落180/佐藤 晃之輔/2017」より抜粋

廃村 申川 神社

神社だけは綺麗に管理されていた。一応車で行けるからだろうか。

神社の周辺は車が5台ほど停まれる回転地程度のスペースがある。しかし周辺に家屋は一切見当たらない。近年風力発電機の建設が急ピッチで推し進められており、申川地区には機械的な地鳴りと異様な雰囲気が立ち込める。

ここから10m近く降りるとすぐに海岸となっており、よく見渡すと廃墟の歴史など素知らぬ釣り人が虚構へと獲物を求めて続けている。その開拓精神は我々人間の先祖に通じているのだろうか。

廃村 申川 海岸

集落出会って4秒で海岸。風力発電沿いに海岸を舐める道路もある。

そんな海岸と崖に挟まれた集落が生きた理由、それは油田の存在にある。

申川油田の歴史は比較的近い豊川油田と比べても非常に新しく、1959年から開発が始まった。沖合に連なる油ガス田であり、集落手前の入口には現在も「石油資源開発(株) 秋田鉱業所申川鉱場」がある。

 

幕末には猿川と称されたこの地は、一度人が離れた後戦後に再度開拓村として息を吹き返したという。油田という宝を発掘しながらも、ガケ危険区域同様時代の流れには逆らえなかったのだろうか。人々の利益やプライドに惑わされた土地は、ここにきてまた一層姿を変えようとしている。

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