東成瀬村桧山台 サムネイル

廃村 東成瀬村桧山台 ~土砂に埋まった雄湯郷~

廃村 東成瀬村桧山台 (ひやまだい)

東成瀬村桧山台 外観

About 廃村 東成瀬村桧山台

秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字桧山台およびトクラにあった集落。最盛期22戸で、2013年に個別移転で無人となった。成瀬ダムの建設用地となり、建物はおろか面影はひとつも残っていない。

スポット評価

終末度合い16
訪問難易度15
観光地要素10
化石的価値08
総合評価49

町が亡くなっていく姿を直接見る寂寥感は現地でしか味わえない。今のうちに見ておきたい機会が重なった後、やがて行けなくなってしまう場所だ。

東成瀬村桧山台のさじなげB級ポイント

当委員会ようやく登場の東成瀬村は県の最南東端に位置し、仙人修行の地として知られている。訪問には気合が不可欠であり、増田からもう一足伸ばすほどの魅力には足りていないためたいへんに物静かな村である。

342号線沿いの一本道に集落が点在し、9割は森林に囲まれているが移住者が来るような場所でもない。心の癒しはデイリーヤマザキだけの桃源郷だ。

なるせ温泉
なるせ温泉付近(役場から東に3km)

ただ全国的には教育先進地として知られており、塾がない代わりに学校で充実した教育を展開している。高齢者すら減ってくると、逆に交通や医療が減って予算があてがえるということだろうか。

それはそうとこの村は南北に広い。村の中心地から南端の栗駒山荘までは30km以上もあり、道中は平成にも突入していない里山が散りばめられている。

東成瀬村 大柳小学校
大柳小学校(2001年閉校)

道中は年々バス路線が手前に減っていく小集落が続く。椿川小学校跡と大柳小学校跡を抜け、逆川中森を抜けてスノーシェッドを2個抜けると廃村に到着する。

しかし右折入口には警備員が立っており、入ることができない。ここはダム建設用地(残土置き場)となっていて、集落の姿は何も残っていないのだ。

東成瀬村桧山台 入口
東成瀬村桧山台 眺望

1980年代の住宅地図には6戸ほどが映っていた。先の大柳小の分校(1957~1979)もあったというが、全く確認できなくなっている。
標高は440mで、風の冷たさがより一層感じられる場所だ。更に3km上流には仁郷集落と分校(1950~1962)があったというが、同じく確認できない。

ダム建設の話が進む鳥海町百宅も、いずれ殺風景に様変わりしてしまうのだろうか。一足先に去った桧山台を見て、そう遠くない集落の運命を憂いた。