男鹿温泉 白龍閣 (はくりゅうかく)
About 男鹿温泉 白龍閣
秋田県男鹿市北浦湯本字草木原86番地にある廃旅館。全52室で4階建て、250名を収容する大型物件だが2012年に閉館。それ以降建物そのままに温泉郷裏口のオープン囚人となり果てている。
スポット評価
終末度合い | 21 |
訪問難易度 | 10 |
観光地要素 | 17 |
化石的価値 | 22 |
総合評価 | 70 |
どうしても男鹿プリンスホテルの知名度には劣るが、同規模物件として衰退温泉街もう一つの顔となっている。廃業からの年数が少ないこともあり、その迫力はまだ健在だ。
白龍閣のさじなげB級ポイント
下品な男は目的地を点でしか捉えていない。虚勢を張ることが仮面を被るという逃げであることを彼らは認識できないままでいる。
彼らには無縁の温泉郷は、昭和平成の置き土産になりつつある。森岳も大滝も湯瀬も宿場町の歴史を伝えるべく奮闘を続けているというのに。
「白龍閣」は男鹿プリンスホテルの系譜を継ぐ大型物件として、80年代に産声を上げた。当時の観光雑誌には、その由来を「オーナーの氏神が龍神なので、竜の寝姿をかたどった青い屋根とした」とある。
氏神(うじがみ)とは集落単位で祀られた神様のことで、温泉郷の発展を願ったものと推測できる。その証拠に、他施設とは一線を画した高台の3棟構造はコスパの悪さ抜群。固定資産税の概念を根底から覆す竜頭蛇尾経営が垣間見える。
2010年代初頭まで営業していたため、ネット上にも複数の訪問記が残っている。ゲームコーナーがあったとの記述もあり、純和風なラーの翼神竜は手札を増やしすぎてデッキ切れを起こしたのだろうか。
ちなみに当物件の北西50mの場所には大量の太陽光発電パネルが設置されているが、悲しい哉ここもかつて栄華を極めた「ホテル中交」の跡地である。
地図上では白龍閣、中交、男鹿プリで廃墟トライアングルが組めてしまう。入道崎のUFOは17年の時を経て今降臨せんと睨みを利かせているのだ。
別邸つばき(旧男鹿グランドホテル)からも翼竜は平気な姿を見せる。
学校やダムに沈む集落の記録は残りやすいが、物件の栄枯盛衰を手に取る資料は皆無に等しい。平成期の歴史は知られることなく、ただ消えゆくだけなのだろうか。白龍閣はまだ生きているのに。