森岳温泉 丸富ホテル (まるとみ)
About 森岳温泉 丸富ホテル
秋田県山本郡山本町森岳字木戸沢115にある廃墟ホテル。全71室、地下2階地上9階にわたるリゾート物件は、今や新たなレジャースポットへと退化を遂げていた。
スポット評価
終末度合い | 24 |
訪問難易度 | 17 |
観光地要素 | 24 |
化石的価値 | 22 |
総合評価 | 87 |
久しぶりに80点越えが現れた(参照:全体ランキング)。例のプールに勝るとも劣らない広大な敷地に仕掛けられた数々のトラップはまさにパンドラの箱。開けた猛者だけがわかる絶頂がそこにはある。
森岳温泉 丸富ホテルのさじなげB級ポイント
70年ほど昔、三種町琴丘町森岳地区にて石油採掘中の田んぼから突如としてお湯が噴出した。それ以来地区一帯は「森岳温泉郷」と呼ばれるようになった。
今では足湯と町営温泉がメインとなっているが、かつては政府登録国際観光旅館「丸富ホテル」が猛威を振るっていたのである。
当物件は「日本一しょっぱい温泉」とされ、63度の源泉は真冬でもアツアツで好評だった。当時1泊2食付で8,550円~26,400円で利用できた。
さらに「1杯飲むと1年長生きする」とされる湧水があったのだが…2012年9月、運営母体の「丸富観光」は約9億円の負債を抱えて倒産した。湧き水を誰も飲んでいなかったのだろう…そして319人宿泊不可能な巨大廃墟と化した。
営業末期には各種サービス関連会社への未払いが確認されていて、インフラから装飾の花に至るまでその噂は業界内で有名だったという。
倒産後、最終的にはいわゆる「夜逃げ」が慣行され、代理人弁護士立ち合いのもと必要最低限の撤去工事が行われた。(関係者の証言)
当時のコマーシャルが残されているが、夜逃げして当然の出来栄えだ。
現在本物件の系譜は別施設の「丸富温泉ホテル」に引き継がれ、廃墟の隣で通常営業されるという非常にシュールな状態となっている。ここは廃墟と居酒屋が超近距離で隣り合わせのバチバチ温泉街なのだ。
短命の歴史とその顛末のおかげで、これだけ大きな建物でありながらも囲いひとつなく、何気ない日常に当たり前のように溶け込む丸富ホテル。
我々はある意味廃墟との共存を見せられているのだろうか。解体されていった猛者たちも、猪をはじめとした害獣の類も、スナックの親父もみんな一緒なのだ。
かつてここまでメッセージ性の強い「100人の村」があっただろうか。ひとりが感動し、99人が無視しています。
そしてここはこの建物だけにとどまらない。屋外プールやゲームコーナー、ボーリング場に離れの宿舎まで盛りだくさんの内容となっている。
是非併せてご覧いただきたい。絶好の廃墟リゾートに是非起こしください。