森岳パレスレーン (もりたけ)
About 森岳パレスレーン
秋田県山本郡山本町森岳字木戸沢115内にある全6レーンのボーリング場。1973年オープン。「森岳ボウル」とも呼ばれ、敷地は狭いながらもゲーセンコーナーやカフェスペースを設けるなど工夫がみられる。丸富ホテル同様、2012年9月に運営母体の丸富観光が倒産したことでゲームセットとなった。
スポット評価
終末度合い | 20 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 21 |
化石的価値 | 25 |
総合評価 | 79 |
ボーリング全盛時代を感じさせる内装と、賞状やスコアが当時のまま残されている現状には親愛を覚える。後述するお宝も秋田ではほかで見たことのない逸品であり、今からでも保存が望まれる物件といえよう。
森岳パレスレーンのさじなげB級ポイント
本サイトでも何度か紹介している丸富ホテル関連施設のフィナーレとなる。
「パレスレーン」はホテル正面から見て、丘を下った屋外プール場の手前に位置する建物で、裏通りの坂道を下ると右手遠くに見えてくるので比較的見つけやすい。
手前にはハイカラを感じさせるお堀があり、豪族が自らの権力を示すかの如く店舗に入っていったかと思えば感慨深い。きっととびきり澄んだ水なのだろう。
入口には鍵がかかっているものの、縦に長いため夕方に行けば内部を広く見渡すことができる。ぞんざいに捨てられたままのぬいぐるみや雑誌の数々は天災を思わせるほどだ。
ただ日当たりがいいためカビくささはなく、まだ見ていられる部類に入る。
店内入って右側のスコアボードには最終大会?のスコアが記されたままで、下にはこれまでの受賞者だろうか、トロフィーがキレイに並べられていた。廃墟マニアたちがここでゲームを楽しんでいるという可能性も捨てきれない。
しかしそれ以上に我々の目に留まったのは、珍しいゲームの存在である。
彼の名前は「FAMICON STATION(ファミコンステーション)」。かつて旅館や観光施設にのみ設置されていた業務用のFC筐体(1986年製)で、現在日本での稼働はごく僅かとなっている。 100円を入れて10~15分遊ぶことができるシステムとなっており、MAX15種類のソフトを選んでプレイできるカードリッジ交換式のファミコンである。
こんなところにレア筐体。思わぬ発掘にマリオ並みの跳躍を見せるサエモン。本機体にはスーパーマリオブラザーズ、麻雀、ベースボール、ゴルフ、ワイルドガンズ、F1レース、高橋名人の冒険島、魔界村、戦場の狼、プロレスが入っていた。
よくよく見ると「プロレス」だけが独自フォントになっている。開発者の心意気を感じる要素だ。※筐体情報の参考ページ
ご丁寧に説明書一式も残されていた。童心に還って遊び方を確認していたところ、驚くべきことにマリオは「ファンタスティックアドベンチャーゲーム」であることが判明した。アクションゲームじゃなかったのか…
それはそうと手書きのマリオが愛くるしい。早急なグッズ化を求めたい。
更に説明書には、魔界村があたかもヌルゲーであるかのようなダイジェスト漫画が記されていた。たださりげなく十字架を使っているところは原作準拠であり、この筐体を開発したSONYからの挑戦状だった可能性も否めない。
ただし森岳パレスレーン自体は序盤のレッドアリーマーに苦戦し、2008年の個人ブログ投稿を除けばその存在は墓地そのものである。
往時の賑わいはいかほどのものだったのか、そして魔界村をクリアした猛者はいたのか…三種町関係者に小一時間問い詰めたいところだ。