秋田厚生年金休暇センター サムネイル

秋田厚生年金休暇センター ~閉ざされた例のプール~

秋田厚生年金休暇センター

秋田厚生年金休暇センター 一眼

About 秋田厚生年金休暇センター

秋田県由利本荘市岩城内道川ガザ平3-1にかつて存在したレジャー施設。その名の通り血税で建設された一大アドベンチャーワールドだったが、2010年に営業を終了。秋田県最大級の広大な廃墟となっている。当時は通称「道川のプール」と呼ばれ親しまれていた。

スポット評価

終末度合い21
訪問難易度14
観光地要素25
化石的価値25
総合評価85

ここにしかない唯一無二の規模感…他県有名廃墟に勝るとも劣らないインパクトを誇る。この誇るべき遺産をどう活用するのかが待たれるが、2020年現在今後の方針は明らかになっていない。

見てますか地元職員の皆さん。我々はここの栄光を忘れません。あなた方が忘れても、我々は絶対に忘れません。

秋田厚生年金休暇センターのさじなげ的B級ポイント

当サイトでも屈指の人気を誇る「天鷺遊園ファミリーランド」と並び、休暇センターは岩城町(現「由利本荘市」)の二大レジャー施設として一世を風靡していた。1987年秋オープンとされ、90年代には「赤マル急上昇」扱いで、いち早く観光立県を目指した希望あふれる地域だった。

かつて日本初のロケット開発地として注目されたこの地で、フロンティアスピリッツだけは燃え尽きず残っていたのだ。ザリガニ養殖オヤジたちもさも協力したことだろう。

秋田厚生年金休暇センター 入口

しかしながら、残りし様は現代のバイオハザードか。

「休暇センター」は大きく3つの施設によって構成され、ひとつは当ページで紹介する”例のプール“(駐車場向かいにはテニスコートもある)、スケート場「岩城アイスアリーナ」、宿泊所「ホテルサンピア21(旧「ウェルサンピア秋田」・旧旧「企業組合 長生きの里」)」という3本の矢がバラバラに折れ曲がっている。

「亀田のアマサギ」、「道川のサンピア」とされる二大巨頭だったが、どう見ても二分するにはエリアが狭すぎる。700台あった駐車場にいま停まるのは、我々の取材車両ただ1台ポッキリだった。

秋田厚生年金休暇センター 内観
メイン内観。落ちたままのロンドン橋が切ない。中央は流れるプールだったという。

「はじめから廃墟として作られたのではないか」と思うほどの退廃度。もはや映画ロケできそうなほど異様な静けさを放っている。

当時の観光情報誌でのキャッチフレーズは「スポーツならおまかせ」!

人気は夏のレジャープール(600円)。全長120mのアドベンチャースライダーや直線のスライダー、流れるプールなど、その規模は東北最大級を誇る。(中略)秋田駅から羽後交通バス、厚生年金休暇センター前下車。 ※「マップル県別情報版5 秋田県/昭文社/1995」より抜粋

秋田厚生年金休暇センター 受付
駐車場からはわからないが、敷地の広さは圧巻。大都会。

当時の岩城町誌や広報誌を見ると、たくさんの老若男女がスライダーの周囲を取り囲んでいる画像がのさばっている。溢れる笑顔に春雷はいつ轟いたのだろうか…

恐るべきことに、由利地域観光振興会のオープン当初のページが現在も残っている(【追記】2018/2/27に削除確認。なぜ今になって…)。ドッグランや年金資料室に加え、神殿があったと記されている。勇者リンクも全裸で逃げちゃう恐るべきダンジョンだ。

年金休暇センター 全景

道中は深い草木に覆われている。侵入を拒むかのように。

国民が貯めた泥沼の中にある、暗く深い魔境なのです。マップ上で拡大しても十分怖い…。

秋田厚生年金休暇センター 外観
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