出原酒造店 (ではら)
About 出原酒造店
秋田県大仙市板見内八幡堂60番地にある酒蔵跡地。1997年から休業となって以降建物は放置され、敷地を含めてそのままの形で残されている。
スポット評価
終末度合い | 20 |
訪問難易度 | 16 |
観光地要素 | 15 |
化石的価値 | 21 |
総合評価 | 72 |
すっかり忘れていたジャンルだった。嗜むだけではお酒の深みを人は知ることができないのだろうか。酔いどれに見た朝日はその存在を晦ましていたのである。
出原酒造店のさじなげB級ポイント
さじなげ委員一同はおしなべてお酒を飲まないようにしている。埋められた仕事の記憶たちに楽しみが潰されそうだからだ。嘘つきばかりの町に今宵も恐怖を感じていた。
隣町での朝日はいつもより冷静に差し込んできた。その温かさで我々は気づかされた。4年近くサイトを運営しているのに、旧仙北町の存在をさっぱり思い出せずにいたことを。
仙北町といえば大曲と角館の間で鑓見内の南東にある地域である。観光地としては柵の湯や払田柵跡がやや有名なわけだが、「結局よくわからない遺跡」を冠しているためどうしても印象に欠けてしまう。
令和になった今、中仙町と太田町と千畑町と仙南村と大曲市に隣接しているエリアがどこなのかすらわからない人もいるだろう。県のまとめにあるpdfで是非確認していただきたい。
このあたりは、もう少しマップを前面に押し出してでお馴染みの道祖神がそこらに現れる。ただエリアの区分がわかりにくい場所であり、冬となるとどこからが集落かすら認識できなくなってしまう。
ひとりナポレオンズも笑顔で迎えてくれているので、元気よく廃墟へと参ろうぞ。
“かつて存在した”日本酒
出原酒造店は上述の通り、1997年から実質的に廃業している酒蔵である。
その資料は乏しく、銘柄「清酒秋田川」を生産していたこと以外は一切出てこない(ネットに既存情報皆無のため現在調査中)。
入口には唯一、そのブランド名が残されている。周囲にはカゴも2台だけ転がっていた。
その敷地は広く、蔵も含めてすべての建物が23年もの間手つかずのようだった。
柵跡や城跡にも近いため、いまは集落が少なくとも一定の人口が集まっていたエリアだったのだろうか。温泉にある歴史資料館に足を運んでみたが、よくある昔の生活再現だけで肩を落とした。