鷹巣町立黒沢小学校 サムネイル

鷹巣町立黒沢小学校 ~悔しきテンプレ限界集落~

鷹巣町立黒沢小学校 (くろさわ)

鷹巣町立黒沢小学校 外観

About 鷹巣町立黒沢小学校

秋田県北秋田市黒沢字不動下12にかつて存在した小学校。1971年に七座小・坊沢小と共に鷹巣西小学校(2016年に鷹巣小へ統合)へと統合された。現在は跡地に生活改善センターが建てられている。

スポット評価

終末度合い17
訪問難易度17
観光地要素14
化石的価値16
総合評価64

大変静かで小さな集落だ。1970年代には100人以上が生活していたらしいが、1ケタ台になっている時の流れは恐怖でしかない。未来の我々が直面する問題をまざまざと見せつけるダークツーリズムであろう。

鷹巣町立黒沢小学校のさじなげB級ポイント

物流業界の人たちは、北秋田市の案件が来ると大きくうなだれるという。それは昭和期そのままの歪曲道路が連続し、疎疎しい人間模様が垣間見えるからだとか。

役場を有する鷹巣ももちろん例外ではない。絶品グルメを誇る鷹ノ巣駅前を過ぎればディープダンジョンつまびらか。携帯が繋がらずとも車にダメージを受けようとも怖気ずくことは許されていない。

北秋田市坊沢大柳岱屋敷

前山駅~西鷹巣駅の間にある坊沢地区の住宅脇から北上するルートが直通となる。

ここは1950年代後期に行われた峠掘り下げ工事によってつくられた新しい道路(出典:鷹巣町史)で、幅も広く運転も安心である。前山からの訪問は入口がわかりにくいことと途中狭い通路があるためオススメしない。

鷹巣町立黒沢小学校 入口

開けた山道を1kmほど乗り越えると、間もなく5戸もない黒沢集落が見えてくる。その入口にかつて存在したのが鷹巣町立黒沢小学校で、1880年の開校。緑色の屋根が特徴だったという。

最盛期の児童は38名で人口が138名とあるが、現在この集落に若者は1人もいない。跡地に建てられている地区会館(画像左)も現在はほとんど使われていない様子だった。

鷹巣町立黒沢小学校 北秋田市黒沢泥木

それもそのはず、同地区扱いの馬屋沢集落(最盛期22戸)は2002年に全戸が移転し、廃村と化している。

かつての行き止まり集落の手前にある地区が離村するとは皮肉な話である。建物もいくつか残っており、旧道から訪れると廃墟の後に黒沢が見える奇天烈環境が襲い掛かってくる。

馬屋沢

廃村側には地区を示す石碑ひとつ残っておらず、道中の採土場に向かう無機質なトラックがガソリンを垂れるだけだった。残念ながら黒沢の命もそう長くはない。

何か残す手立てはないものか。人々が考える度に我々の株が上がる算段だ。生活改善に役立つといいが…