鳥海高原温泉ホテル ~「しあわせを呼ぶ」石碑の愁い~

鳥海高原温泉ホテル(ちょうかいこうげんおんせんほてる)

鳥海高原温泉ホテル 全景

自然の力に対して、人工物はなす術もない。

About 鳥海高原温泉ホテル

秋田県由利本荘市鳥海町猿倉十二ヶ前64-5でかつて営業していたホテル(※現在は「十二ノ前」という小字に変更されている)。2006年度末頃に営業を終了したと推測されるが、10年余りとは思えない退廃具合には言葉が出ない。地形的にも比較的わかりやすい場所にあるため、鳥海観光のついでに訪問可能。

スポット評価

終末度合い19
訪問難易度15
観光地要素18
化石的価値20
総合評価72

他の廃墟とは大きく異なり、当委員会ではここを偶然発見した(後述する「板平発電所」に訪問する道中にあるため)。もしかしたら発電所におおける関所なのかもしれないと、思わず足を止めた。真っ赤に燃える太陽は今にも朽ち果てそうで、涙に濡れた恋の季節なの。

特徴

由利本荘市鳥海町は古くから名峰「鳥海山」が信仰の対象とされ、矢島町や象潟町と並んで修験者のための宿場町として栄えてきた。山際には鳥海高原矢島スキー場花立牧場名瀑「法体の滝」(周辺はキャンプ場になっている)などレジャースポットが満載だ。

鳥海では特に「猿倉地区」がその玄関口とされ、ホテルフォレスタ鳥海をはじめとした数多くのホテル・民宿が軒を連ねる。いちおうここからすぐ近くの由利本荘市役所鳥海支所を起点とした「市営バス鳥海猿倉線」に乗ることで訪問も可能。一日6便(片道3便)とギリギリ使える。

鳥海高原温泉ホテル 入口

…おや?(この草むらがホテルへと登る坂道。ギリギリ車でもいける。)

市営バスで言うところの「湯の沢(旧『滝の下』バス停付近)」で降り、発電所を目指して南西へと進む(登り坂になっている方が「鳥海荘」などがある旅館地帯のため、反対の下り坂を進んでいく)。

下り坂のカーブを曲がってすぐ見えてくるのがこの赤い屋根だ。個人の住宅にしてはデカすぎる上に、よく見ると窓ガラスが割れたままになっている。その痛ましさを感じて、人は素通りできるのだろうか。

鳥海高原温泉ホテル 渡り廊下

ホテルはL字型になっていて、渡り廊下のようなものが残っていた。冬はさぞ厳しかったろう…

残念ながら当物件に関する資料は(ネット含め)非常に少なく、当委員会が見つけられたのはいくつかの地図に残るその名前だけだった。往時の環境を知れる資料があればご教示願いたい。

最初に「2006年度末頃営業終了」と推測したのは、2006年1月発行のマップルに掲載されているものの、2007年版の「ネットの電話帳」に掲載がなかったからだ。その証拠に、1998年のゼンリン住宅地図ではホテルと併設してオーナーの住宅が明記されている(電話帳にはホテルのみ掲載)のに対し、2007年にはオーナーの電話番号と地番が新たに掲載されているのがわかる。

鳥海高原温泉ホテル 広場

渡り廊下の先は…深い緑に覆われていた。もしや温泉跡か…?

当時の電話番号からたどり着いた某サイトではこのホテルの収容人数は「73人」とされていた。鳥海荘がない時代には、あの「フォレスタ」に並んで町2番目の規模である。それなのになぜ…。

しいて言えば、このホテルだけが周辺の旅館地帯から少し離れている。(昔はあったのかもしれないが)看板などがなければ下り坂を進むことが少なかったのかもしれない。猿倉に至るまでで急な上り坂が続くので、ドライバーの印象がよくなかったのだろうか。(しかし奥にある三四郎旅館はご存命)

鳥海高原温泉ホテル 板平発電所

※本来の目的地

ちなみに、三四郎旅館から少し砂利道を進むと我々が目指していた「板平発電所」があった。しかし虫がすさまじく、更に奥へと進む林道が封鎖されていたため予想より収穫は少なかった。

しかしながら思わぬ油田の採掘に、我々は強く拳を握りしめた。宿泊先の旅館の方に怏怏と報告しに行ったが、危険人物とみなされ軽くあしらわれてしまった。反省すべし。

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