深沢鉱山 (花岡工業深沢採鉱所)
About 深沢鉱山
秋田県大館市雪沢又右エ門沢にある廃鉱山。1994年に資源枯渇のため閉山し、現在も堅坑や斜坑入口が残っている。周辺にあった事務所や選坑場などは解体された。
スポット評価
終末度合い | 23 |
訪問難易度 | 14 |
観光地要素 | 20 |
化石的価値 | 25 |
総合評価 | 82 |
年末に高得点物件が出没した。廃墟業界では知られている方の存在だが、やはり無力な秋田県人にはご存じない方も多いことだろう。でなければこの町はもっと盛り上がっているはずだ。
深沢鉱山のさじなげB級ポイント
また言われた。「秋田にあった鉱山って尾去沢と院内だけでしょ?」と語る人たちに。
これが現代教育の敗北者である。少なくとも荒川と阿仁くらいは認識してほしいものだ。
諸君、これが現代教育の没落者である。凝り固まった価値観をハラスメントとしてぶつけてはいけない。当事者が悪いのではなく、つまらない町という真実ばかり伝える大人に一番の問題があるわけで。
土壌は県北大館市に移ってきた。小坂町に至る道中は旧小坂鉄道の線路が一部に残り、茂内駅舎も残っているのに泥濘ばかりの平成後期だった。観光客を大幅に上回る人口減少に苛まれたからだ。
その証拠に、雪沢小学校(上写真)は東光鉄工(株)のドローン事業部社屋として再利用されている。是非とも街並みを空撮で残してほしいものだが、町の魅力を発信しようとかいうイキりはもういない。
学校向かいの集会所「蕷ケ岱(いもがたい)会館」も久しく使われてないようだ。ただ勘のいい秋田犬たちならもう嗅ぎ分けたことだろう。今宵の舞台は煙の先にある。
道中は大館クリーンセンターに重なるため、アクセスも難しくない。まだある鉱山の魅力へ歩むべし…
おいおいまた花岡か
踊る阿呆なら、この煙突を鉱山跡と見間違うかもしれない。
この手前には雪沢温泉はもちろん、ラブホテルも数軒連なっている。大潟村もそうだが、鉱山夫には性欲を満たすスポットも付属するのが通例である。だが毎回下が多いので今回は自重しよう。
深沢鉱山はセンター手前に突如現れる。周辺は駐車場らしき敷地になっているが、そこが当時の事務所跡となっている。山口大学工学部のページには当時の貴重な写真が掲載されている。
ここは1969年に発見されたかなり新しい鉱山で、1971年から花岡鉱山の支山として開発された。にわかからすれば「鉱山にも支店の概念がある」ことにも驚嘆である。
その姿は美しく、実に異質である。近代的な鉱山として、軌道内に線路を敷かず自動車をそのまま乗り入れるトラック・マイニング方式が日本で初めて取り入れられたという。
また、残っている坑道は人工天盤下向充填採掘法という方式が使われている。所謂トンネルにおけるシールド工法のようなもので、そのために要塞が建築されたということだ。
県道2号線沿いにある産直センター付近がかつての深沢駅跡なのだが、そいつも何も残っちゃいない。地区の歴史は多くの人間に知られていないままでいる。
空になった鉱脈は静かに笑い、時代が過ぎるのを見つけ行くだけなのだろうか。