廃村 藤里町二の又(にのまた)
About 廃村 藤里町二の又
秋田県藤里町大沢字二の又にある廃村。1975年に集落再編成事業によって無人化。最盛期5戸とされ、現在は3戸の家屋(作業小屋扱い)が残っている。田畑も移転者が耕作しているらしく、綺麗に整えられていた。
スポット評価
終末度合い | 12 |
訪問難易度 | 16 |
観光地要素 | 19 |
化石的価値 | 20 |
総合評価 | 67 |
手前にある分かれ道から北に進んだところにある廃村「大川目」とは違い、道中はそれほど厳しくなくギリギリ普通車でも訪問可能。そのためか離村後の管理も行き届いていて、ここまで来た甲斐があったと喜びを感じられる空間になっている。
廃村 藤里町二の又のさじなげB級ポイント
藤里町大沢と鷹巣町(現北秋田市)綴子田子ヶ沢を結ぼうとした県道200号線(未開通)の中間にあるこの廃村は、車さえあれば容易にたどり着くことができる。もし開通していれば、もう少し寿命も延びたのだろうか…
地名の由来は手前にある廃村「一の又」と結びついていて、二手に分かれている川の源流を表しているものと推測される。
県道200号線は大沢地区を外れると廃村 名不知や嘉平岱を通る広めの道路にでる。かつての分校跡地(と思われる丘)や寂れたトラックを右手に見つつ進むと行き止まりになっていて、「この先行き止まり」と書いた看板にぶち当たる。その看板のある方が二の又への入り口だ。
道中は始まってすぐ、川のせせらぎが聞こえる狭い山道が500mほど続く。しかし大川目を先に訪問しておけば何も恐怖ではない。先導で誰か立ってもらい、脱輪しないよう案内してもらえばいいだけだ。プチアトラクションを潜り抜け、国境のゆるいカーブを抜けると、そこは雪国であった。
時を止めた静寂に、思わず息を呑む。画像中央左に見える小高い丘からは集落を一望でき、往時の子供たちが遊んだ姿を影送りしたくなった。
もちろん画像を撮影したが、雨に濡れてぼやけてしまったため未掲載…断罪に処する。
移転者すべてが耕作に通っているので、田んぼは綺麗に整備されている。高台にある一戸の屋敷跡にはジキタリスの花が咲いていた。毎年種を落としながら生え続けたのであろう。一面緑に覆われた中で、赤い花が一際鮮やかだった。 ※「秋田・消えゆく集落180/佐藤晃之輔/2017」より抜粋
二の又の手前(画像左に見える坂道の上)では何かの工場があり、ときおり車の往来もある。そのため人気の無さはあまり感じられない。廃村がまるまる別の敷地になる場合はよくある(例:大館能代空港)が、ここは少し珍しいタイプといえよう。
原野に戻る廃村もあるなか、建物も田畑も綺麗に残る場所は珍しい。いつか映画でも撮影してみたいものだ。