小坂町魁開拓地 (さきがけ)
About 小坂町魁開拓地
秋田県鹿角郡小坂町小坂沢にある開拓村。戦後すぐの1947年に5戸が入植し、なだらかな台地で酪農が営まれているが、一部離農した後が見られる。
スポット評価
終末度合い | 15 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 14 |
化石的価値 | 14 |
総合評価 | 56 |
田園と鉱山関係施設が集中する小坂では数少ない町はずれのエリアで、アクセスも良く道路も悪くない。そこに見えるのは明日への希望か邯鄲の夢か。
さじなげB級ポイント
人口減少の波を最も浴びてポテンシャルを緞帳の裏に捨てた小坂町には、歌舞伎役者の訪れない観光地が数多い。
しかし当委員会で2年前に掲載したあけぼの住宅は年々解体が進み、南にあった旭ヶ丘(鉱山)住宅同様更地に戻されつつある。町の寿命はそう長くない。
秋田県道2号大館十和田湖線、通称「樹海ライン」の大館市雪沢~小坂高校の中間、周辺集落がないのに不自然に反り立つバス停がその入口である。
魁地区は旧民有地を借り上げた開拓村で、当委員会でいう観音森や平滝などと同様の事業によって住民が切り開いた集落である。ほかと比べるとアクセスの良さが目立つが、2号線の発達によるものであり県の恩恵を授かっている。
入口すぐにある不燃物処理所から200mは何もなく風が吹き抜けるだけだが、その先に見えるのが船水牧場である。明らかに生命の躍動がない。
「戦後開拓のあゆみ」(1973)によると戦後すぐ5戸が入植し、「町の牧野改良団地を隣接に控え、今後の発展が期待されている」とある。
その団地と期待はどこに行ったのか、県随一の良地名である「魁」は小字になっておらず、北斗七星は爆発してしまったのだろうか。
集落には2戸が残っており、鉱山とは違う虚無感が地区を覆っている。