田代町立岩野目小学校 (いわのめ)
About 田代町立岩野目小学校
秋田県大館市早口岩野目22番地にある廃校。1875年(明治8年)に開校し、長きにわたって春を迎え入れた古豪だった。計2,740名が卒業し、2008年に133年もの歴史に幕を下ろし、すぐ近くにある大館市立田代公民館岩野目分館に「俺を使えよ」と睨みを利かせている。
スポット評価
終末度合い | 12 |
訪問難易度 | 11 |
観光地要素 | 23 |
化石的価値 | 18 |
総合評価 | 64 |
これほどまで綺麗に残された廃校も珍しい。外観ではまだ子供たちが学んでいるのではないかと錯覚するほどだ。後述する敷地もアップダウンが楽しく、廃墟デートのコースに入れてほしいスポットである。彼女募集中。
田代町立岩野目小学校のさじなげB級ポイント
いまも眠る金鉱脈伝説(※ツチノコブームの頃に山奥で埋蔵金があるとされた)を残す大館市早口エリアは、駅前からノスタルジック満載でB級観光の浅草寺とも言える昭和の遺産スポットといえる。
特に北部に広い町であり、岩瀬川と早口川流域に沿って小集落が長く連なっている。能代方面から来るとすれば、早口駅に至る手前にある橋から北に外れて歩みを進めることになる。街中を前に反れるときの興奮…まさに初恋だ。
1991年(平成3年)に新築された5代目の現校舎は、我々の年代とも近く親近感を覚えずにはいられない。希望に満ちた新築だったのだろうか。
1952年(昭和23年)には平滝分校と千歳分校も開校し、昭和後期にはプールやグラウンドも整備された。(前者は1957年越山小の管轄に変更)
1996年(平成8年)には更に北にある大野小学校を吸収し、2008年(平成20年)には7号線近くの早口小学校へと統合された。ホームページにある手書きの岩野目小が目頭を潤ませる。
また、本物件は裏山の上に離れの体育館がある珍しい構造となっている。各種記述を見ると「校舎3階が体育館」とあるため、上写真は旧体育館ということだろうか。
写真左側は雲梯やベンチが整備された公園で、右側(階段の下)がグラウンドになっている。公園には「小学校4代目跡地」というこれまた珍しい標柱があり、ここに校舎があったことを物語っている。公園部分にあったのだろうか。
旧体育館下にはオリエンテーションで使われたのだろうか、早口の各種地区名を記入した看板が汚らしく横たわっていた。学校と共に、地名たちが失われるそう遠くない未来に悪寒が走る。
悲しみに暮れる中、倉庫の黒板には「ちんげ 5×6=50」という謎の落書きが光っていた。生え始めた疑問の風が体をくすぐっていた。
【追記】
旧校舎は山の上の体育館脇にあり、山の上で楽しく暮らしていたとのこと。
【追記202406】
体育館は、鍵がかかっていなかった。でも閉校後住民に開放されたことはないらしい。
誰かこっそり使っているのだろうか…足跡が新しい気がした。