八森駅 (はちもりえき)
About 八森駅
秋田県山本郡八峰町八森字中浜にあるJR五能線の無人駅。駅舎は地元商工会のオフィスに併設されていて、木造の癒し要素溢れる空間になっている。周辺は海岸線に沿って集落が続く海のまち。駅名(地名)の由来は、千年以上前の大地震によって村を移転させた土地に8つの森があったからだという。大正15年開業。
スポット評価
終末度合い | 9 |
訪問難易度 | 11 |
観光地要素 | 14 |
化石的価値 | 13 |
総合評価 | 47 |
秋田方面から電車で訪問すると、田園風景から一転した海岸線にノスタルジックを感じてしまう。駅構内のみが高台にあるため、降りた瞬間から集落を一望できるのが魅力。
八森駅のさじなげ的B級ポイント
八峰町旧八森地区は秋田県最北端に位置し、青森県の県境と接している。快速「リゾートしらかみ」が通る絶景エリアであり、他スポットと違ってこここそが八森の中心地なのだ。ただししらかみは停まらない(あきた白神駅と岩館駅のみ)。
地区には名物まつり「神輿の滝浴び」があり、毎年8月には観光客でにぎわいを見せる。絶望的時代遅れホームページでおなじみの「はちもり観光市」もにぎわいを見せる。逆にそれがいい。
ホームはかつて存在した「発盛鉱業所」用の専用路線なんだとか。町にはしっかり案内看板のひとつでもこしらえていただきたい。
また、全く関連はないが海岸の砂浜は「黒砂」として知られている。精錬所の名残を間接的に感じることができる…とか案内看板お願いします。全く観光客がいないのが寂しすぎる海岸だ。
更に昔(昭和初期)には東八森駅とあわせて椿銀山・八森油田の2大巨頭が大いに村を発展させたという。今となっては往時の輝きはほとんど見られない。町は白神山地の玄関口としての知名度アップを狙っているが、歴史ももう少しどこかに留めていただきたい。
参考資料:駅名の由来 奥羽路・旅のしおり/秋田鉄道新聞社・1973年
写真のとおり、八森駅は幻想郷への玄関口のような昭和のつくりをしている。キレイに整備された階段には昔のにぎわい、ここを往復したビッグマネーを想像…させない懐かしい雰囲気がある。
現在は住民の大半が漁師のみなさん。ここの海の男たちは優しい。
コンパクトシティだからか、歩く我々にも気さくに挨拶してくれた。旅の出会いはこの上なきスパイスだ。
在来線はリゾートしらかみの圧を受け、県内トップレベルで乗車客が見られない。プライベートトレインでの八森町観光も、新しい旅の在り方として提唱していただきたい。
しかし時代の流れで八峰エリアも退廃が厳しい。かつて地域住民から聞いた話だが、かつては小さな漁業倉庫がそこら中にあり、ひと月のうち20日はハタハタを獲りに一日中漁に出たという。しかし時代とともにハタハタは獲れなくなり、消費も減った今では南にある男鹿市の専売特許になった。ホッケやサザエなど、昔獲れていた海の幸も獲れなくなってきたという。安定供給ができないことが、地元商店への活魚供給不足につながっているのだろうか。
更に昭和中期まで八森は「赤線」という、公認で売春を行う宿が多数存在した地域だった(規制が入る1958年頃までの話)という。今は優しい海の男たち…昔はお盛んだったということか…!?
いまでは民宿もほとんどみられない。ただし前述の「神輿の水浴び」に関しての話だが、戦後まもなくアメリカの某雑誌に取り上げられたことで観光客が激増したという。