秋田市雄和萱ケ沢大台 サムネイル

萱ケ沢大台 ~町はずれの屈強ジジイたち~

萱ケ沢大台 (おおだい)

萱ヶ沢大台 外観

About 萱ケ沢大台

秋田県秋田市雄和萱ケ沢(かやがさわ)大台にある小集落。90年代は4戸が生活していたが現在は2戸が生活しており、一部は廃屋となっている。道中は山林を切り分ける狭い通路が続き、途中由利本荘市に入らないと到達できない。

スポット評価

終末度合い20
訪問難易度22
観光地要素19
化石的価値21
総合評価82

現存する集落で孤立した位置にあるといえば上小阿仁村八木沢集落が有名だが、秋田市にもまだ秘境が残されていた。到達時の感動は絶俗の喜びである。

萱ケ沢大台のさじなげB級ポイント

当委員会では以前秋田市雄和萱ケ沢として大字くくりで地区を紹介しているが、あえて大台だけは分けて取り上げたい。萱ケ沢の眺望に一目ぼれして以来幾度となく通っているが、住宅地図の区分に載っていなかったため見落としていた。

入口は地区中心地手前、「萱ケ沢館跡」付近にある脇道を北から右折して入る。看板があるのでここはわかりやすい。

萱ケ沢大台 入口

住宅地図は時に狂気を震わせる。初めて矢島町行平を確認した時間を思い出す。大台地区だけが大きく外れており、ページはみ出し分として掲載されている。

上画像奥の住宅を抜けるとしばらく田園が続き、急に登り坂が始まる。不自然な峠越えに気づけば、眼下には湖畔、眼中にはS字カーブのお年玉が御来襲。

萱ケ沢館ノ腰
萱ケ沢館ノ腰
大台

登りきるとカーナビの住所が「由利本荘市中俣」に変化している。これは平成の大合併以降激レアと化した、隣の市町村を介さなければ訪問が困難な「越境集落」であることを証明するものだ。

※合併前は由利本荘市三ツ方森(東由利町経由)、皆瀬村外浦(湯沢市経由)などがあった

大台 道中
萱ケ沢大台 全景

入口からわずか3kmほどの道中だがひたすらに長く、地図への信頼を失いかけたころに現れるのが萱ケ沢大台その全貌である。

手前の2戸(一番上の画像)は廃屋で、奥の2戸(上画像)が現在も生活を続けている。その奥は由利本荘市中俣鳶ケ台に至る未舗装道で、車両通行は困難。

萱ケ沢 男性

ちなみに、道中では集落に向かう自転車おじいさんを見かけた。ふらつくハンドルで一体どこまで行ってきたのだろうか…。

また、市境付近に「彩の里」という看板のついた公園のようなスペースがあったのだが、ユリの無断採取厳禁を示す張り紙と共に入口は封鎖されていた。自転車のカゴには何も入っていなかったので、少なくとも彼は無罪である。

【追記】
萱ケ沢郷土誌(2008年)によると、「最初に開墾された土地」という意味だそう。