廃村 湯沢市泥湯 (どろゆ)
About 廃村 湯沢市泥湯
秋田県湯沢市高松泥湯沢にある集落跡地。温泉宿が2軒残っているが、一般住民は2010年代に全て離村してしまった。雪深い山奥の僻地にある秘境として名高い存在感を放っており、かつては坊ヶ沢小学校泥湯分校(1975年閉校)も設置されていた。
スポット評価
終末度合い | 24 |
訪問難易度 | 23 |
観光地要素 | 24 |
化石的価値 | 23 |
総合評価 | 94 |
文句なしのへき地等級5級は納得の実力だが、舗装されている+現役の観光地であることから田ノ沢と比べると訪問はわずかに楽ではある。奥山旅館の消失(後述)さえなければ満点も十分あり得た。
湯沢市泥湯のさじなげB級ポイント
存在が認知されていても、訪れる人間が多いとは限らない。開湯から1200年あまりとたいへんに古い歴史を有する名湯でありながら、日本屈指の秘湯は廃村の中にひっそりと残されている。
日本三大霊地「川原毛地獄」のお膝元、秋田いこいの村から更に5km山道を進んだ先にそこはある。
家屋が見えたときの感動はひとしおである。なお道中は木地山こけしの跡以外まともな勇気づけスポットがなく、寡黙な蛇行森林を這いつくばるしかなく全く楽しみのカケラもない。
入口を下ると強烈な硫黄臭に鼻をつまむことだろう。そこら中から蒸気が噴出しておられる。
そして、ガスが噴出していない反対側も立入禁止である。
温泉の手前にはかつての別荘・家屋・温泉の3セット廃墟が門番として待ち構えている。
2021年8月現在、営業している(人がいる)のは奥山旅館と小椋旅館(別館山の湯を含む)のみとなっている。
かつては「豊明館(滝の湯)」「中山荘(川原の湯)」と泉質の違う2軒も存在したが、2010年代に解体され現在は跡形も残っていない。2012年のgoogleマップと比べても半分以上が更地になっている。
残る奥山旅館も一度2016年に全焼し、2019年に再建された新しい建物なのが悔やまれる。
加えてかつては湯沢市立坊ヶ沢小学校泥湯分校の校舎跡が奥山旅館の別館として機能していたが、惜しくも2020年に解体されてしまった。(※ほぼ同位置で撮影された証拠画像)
ひっそりと姿を変えゆく泥湯の姿、果たして何人がその事実に気づいているのだろうか。廃村としての一面にも目を向けると、秘湯観光がちょっとだけ趣深くなる気がした。