ゆうやけ線 ~翻弄される地平線~

ゆうやけ線(八峰町八森岩館)

ゆうやけ線 ナンバー8

その名もズバリ。

About ゆうやけ線

秋田県山本郡八峰町八森岩館塚の台から岩館地区内メイン道路を通る電柱路線。その名の通り、日本海に沈む夕日は五能線利用者のみならずだれしもが魅了される絶景である。しかし西日が当たると電柱が見づらいので、今回は日が傾く前に訪問した。

スポット評価

終末度合い8
訪問難易度8
観光地要素13
化石的価値10
総合評価39

電柱路線名は周辺施設名や旧地名などが入る場合が多いが、観光客への隠れたメッセージともいえるネーミングセンスには天晴れの一言である。ただし周辺に「岩館線」名の路線はなく、冠はどこへ授けたのが疑問が残る場所だ。電力会社の遊び心なのか…?

特徴

海岸線にハイカラなガンダムが配備されている岩館地区は、昔戦争時に岩を館にしたことからその名前がついたという。そのエピソードを鑑みれば、もっと昔には違う地名がついていたのだろうか…?

駅の開業は大正15年で、旅客取り扱いは昭和37年から。近年ではリゾートしらかみの停車駅にもなっているが、目立った観光地がないので大概スルーされている。(参考:駅名の由来/秋田鉄道新聞社/1973)

ゆうやけ線 岩館駅

岩館駅。リフォーム済だが、開業時のレトロ感をリスペクトしているようにも見える。

Former Iwadate Station 20070820

こちらはリフォーム前(2007年)。若干寂しいか。 ※wikipediaより引用

そんな岩館地区は海岸線沿いに南北へ伸びる細長い集落で、秋田県沿岸部では最北端の集落だ。農業従事者はおらず、大半が漁業関係の仕事に従事している。漁港も2つあり、いずれ朝方に訪れたい今日この頃である。

バスは1日3本で、能代駅方面が1本、能代厚生医療センター経由が2本となっている。最寄りの病院がかなり遠いが、住民曰く「電車よりバスの方を利用している」とのこと。電車はバスより本数あるものの、病院には止まらないからだ…

ゆうやけ線 バス停

味のあるバス停。ちなみに「能代駅前」は55箇所先だ。片道約1時間で980円。

遠隔地ゆえの不便さもあるのかもしれないが、観光客にとっては絶景スポットであることに他ならない。海水浴場は駅から徒歩5分と近く、岩館地区自体が30分あれば徒歩で回れるほどの大きさなので、漁港の雰囲気を感じたいやまおとこたちにはちょうどいいスポットといえる。

海岸線沿いではあるがにかほ市小砂川ほどのアップダウンもなく、比較的歩きやすい。海沿いと高台の2ブロックに分かれていて、双方を繋ぐ階段や通路が多数存在していて魅力満点。ジブリ関係者の視察が期待できるほど情緒満点なのだ。

ゆうやけ線 階段

岩館杉の沢付近。子供たちが走り回って…はいなかった。

最寄小学校は八森駅近くなので、子供たちはあまり見かけられなかった。4駅分…

潮風感じるゆうやけ線は岩館地区のメインストリートであり、総数は24本。静かではあるが人の往来はそれなりにあるので、田舎情緒を感じたい方にはピッタリかもしれない。漁港沿いには旅館もあり、新鮮な海の幸をいただくことができる(らしい)。

ゆうやけ線 外観

岩館の町並み。是非徒歩で楽しんでいただきたい。

しかしながらやはりここにも過疎化の波は押し寄せていて、”全てを地元民で営んできた集落“であるがゆえに新規参入が非常に難しく、次世代の漁師がほとんど育っていないのだという。漁協のとある漁師はこう語る。

「ギリギリ30年は持つかもしれないけど、トロール船以外には次世代がいないから後が続かないね。地球温暖化のせいかここ最近では獲れなくなってきた種類もある(ホッケやハタハタ)。

何もしないままなくなるのは嫌だけど、継がせるだけの魅力ある仕事ではないね…

 

確証も補助もない今の漁業では、息子にでも継がせたくないという。

悲しむ漁師の丸まった背中に、ゆうやけは刺さるように降り注いでいた。

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