苅又石 (かりまたいし)
About 苅又石
秋田県能代市二ツ井町苅又石苅又石にある小集落。元々細道の先にある狭い土地のため15戸ほどが生活していたが、現在は5戸ほどでいわゆる限界集落と化している。観光要素も全くなく、地域住民以外に立ち寄る人間はほぼ存在していない。
スポット評価
終末度合い | 17 |
訪問難易度 | 15 |
観光地要素 | 12 |
化石的価値 | 12 |
総合評価 | 56 |
なつかしの神馬沢を思い出す小集落である。いずれは廃村になってしまうのかもしれないが、いまここに残る生命の営みを感じるために訪れる。それは人の手がつかなくなり、すぐに腐っていく町の姿を見てきたからこその精神ともいえる。
苅又石集落のさじなげB級ポイント
2019年に開通したバイパスの誕生により、一般ジャップウがタウン二ツ井に降り立つことはめっきり減ってしまわれた。ましてや川向かいの仁鮒地区を知らずして斃れるものもいるだろう。
しかしながら公共サービスは今日も往く。パチンコに明け暮れる人間をよそに、真面目ヒューマンが木材タウンにわずかな希望を求め続けているのだ。その街並みに乾杯したひ。
川を渡って2つ目の集落エリア、ショウキ様で知られる二ツ井町小掛の鍛治沢から集落に至る道がある。
現在は旧切石小学校裏から舗装道が伸びているが、未婚で時間の余っているオヒトリ様が是非こちらを使用していただきたく。避ける道にこそ知るべき価値がある。
道中には小掛龍神 不動明王が眠っており、電柱も確認できる。この道がかつてのメイン通路であり、集落への最短ルートであることを証明している。途中には荒地となった畑へと渡る丸太橋もある。
悲しいのは二ツ井町は地名や集落に関する近代歴史文献が少ないことにある。産業振興や森林軌道に目が行きがちだが、新時代の観光への開拓のため我々に予算計上をご検討いただきたい。
苅又石集落は典型的な行き止まり集落で、たどり着いた感動は現地でしか味わえない。丘を越えると駒形温泉春秋亭へと通じており、かつての文化圏は旧能代市側だったという。
中央部には小さな集落会館があるが、軽トラの主らしき人物は見当たらなかった。集落の人々がどんな生活を営んでいるのか、想像するだけで休日が満たされていくのを感じた。
ちなみに、電柱には「刈又石」と表記されている。旧表記なのだろうか。
ザッコ又よろしく独自の法則があるのかもしれない。今年も悩みは尽きないのである。