奥阿仁駅前

大阿仁線 ~マタギ辿らざる山間終焉路線~

阿仁線 (おおあに)

About 阿仁合線

秋田県北秋田市阿仁銀山下新町付近から阿仁打当前山上ミ岱付近までをつなぐ全長22kmあまりの電柱路線。内陸線6駅分にまたがり、北秋田市民を除けば仕事以外でたむろする人間はほぼいない。

スポット評価

終末度合い13
訪問難易度17
観光地要素19
化石的価値18
総合評価67

観光振興に励む内陸線社員に電柱路線をプレゼンしたところ、だいぶ引かれた日のことを思い出す。ないりっくんの目玉くらい見開き、薄汚れたスーツと寝ぼけ眼を心配されていた。働きすぎだ。

さじなげB級ポイント

疲れた日は阿仁に行くと決めている。人間の営みが感じられないからだ。

鉱物あきぎんにも見放された町だが、住んでいる猛者たちはみな明るい。歩いているだけで高貴な目で我々を崇拝していただける。田舎にとって若者とは尊い存在なのだ。

大阿仁線 5番

しかしそのキタアキタはメジャースポットばかりがメディアで取り上げられるため、無知な人間が周辺を観光してガッカリされるまでが定石となっている。誠に残念な現象である。

中嶌がデートに使った根子集落や、知ってるだけで通ぶれる岩野目駅もあるというのに。コワーキングスペースという名のリニューアルお茶呑み場まであるのだからノマドーワーカー(笑)たちにもぜひ鷹巣町晩梅から是非起こしいただきたい。

立ち止まるだけで美しい日常に出会えるのだから。狙っていた女性にフられても問題はない。

電柱番号は奥阿仁近辺で300を越えてくる。棒きれを眺めておけば、「ここまでが広義的な大阿仁か、さすが大きいな」と学ぶことも容易い。下小阿仁のマイナー度とは違った喜びを覚える。

沿線の駅も見逃せない
阿仁マタギ駅

木内デパート並みに早く閉まる休憩所も完備された阿仁マタギ駅は階段の世界観に酔いしれる。モータリゼーションに侵されすり減った臀部が陥落の屁をたらす。やはりクマ除けは欠かせない。

もちろんここまでに廃校もあったが、善良な市民であれば見逃していることだろう。候補はあったに違いないため、自ら調べる観光の楽しみを再認識していただきたい。

大阿仁線 打当温泉

長年開通しなかった内陸線最奥地にあるのは、「双眼鏡あれば男湯見えるだろ」でお馴染みの打当温泉である。利用する際は小型猟銃をあらかじめよく磨いておこう。

その後ろにはくまくま園もあるが、電柱名は「くま牧場線」である。旧名称だろうか。

大阿仁線 クマ牧場入口
大阿仁線 終焉

そして電柱は400本あまりにわたって連続している。一般的に地区や連続した集落に用いられる名称区分だが、県内でも最大級の数値と推定される。(行き止まり集落の平均は100~200前後)

しかしそれに気づく者はない。曲がった腰を伸ばせる人物も、粋な人間も残り少ないからだ。きっかけはどうであればこの町を訪れる理由が増えることを願うばかりである。デート予定求む。