小砂川展望台(こさがわ)
About 小砂川展望台
秋田県にかほ市象潟町小砂川小田13-42内、松本旅館の裏にある展望スペース。駅前の案内看板で表示はされているが、木々に囲まれた旅館の裏路地を横切る必要があるためやや見つけにくい。
スポット評価
終末度合い | 10 |
訪問難易度 | 7 |
観光地要素 | 17 |
化石的価値 | 15 |
総合評価 | 49 |
小砂川地区として全面に押し出していくべき絶景スポットだが、さりげないその存在感をあえて保っているのだろうか。地域住民の心意気を感じることができる名所といえよう。
特徴
小砂川地区は秋田県の最南西端に位置し、作りは象潟というよりも隣の山形県遊佐町の見た目に近い。現在は無人扱いの小砂川駅(1921年開業)だが、2014年頃までは住民有志が切符販売を取り扱っていた。「いれる日はいる」という完璧なスタンスが住民の優しさを感じさせる。
駅舎内には、「こさがわほいくえん でんしゃえんそく」の写真が多く飾られている。
まちを眺めると、幹線道路から外れた静かな坂道が南北に続いている。
ちなみにかつては無料のレンタサイクルが駅に置いてあったが、2013年頃(錆びたので)廃止された
そして駅からまっすぐ歩いたところにあるのが「松本旅館」だ。天然生牡蠣と焼き魚が美味。風呂が超熱い。
もともとこの辺りは「有耶無耶の関」と呼ばれた藩境の難所で、古くからの宿場町だったという。その名残…というか唯一の生き残りなのだろうか。県境には「三崎公園」という有名な観光地があるが、どうしても象潟地区の「九十九島」には知名度で劣ってしまう。
それでも旅館には多くの人が集う。ひとつには漁師町の夕日の美しさ、そしてもうひとつ…隠れ持った展望台の存在があるからだろう。
地平線上に浮かぶ「飛島」に心震わせた少年時代。嗚呼、どんなロマンか眠っているんだろうと。インターネットのないときには宝島のような存在にも見えたものだ。いつか行きたい。
展望台といいつつも、わずかなベンチと屋根があるだけだ。それでもみんなここが大好きなのだろう。綺麗に掃除されているその心遣いには、訪問してくれた人々への感謝が込められている。
風景に見とれていると、駅舎にいた方が外国人の観光客を連れてきた。聞く限り全く言葉は通じていないが、外国人観光客は深く頷き、一眼レフを構え続けていた。
あとでわかったことだが、その日駅舎にいた方は地元観光協会のガイドも務めているという。図らずも魅力を伝えていく「おもてなしのココロ」がここにはある。
潮風は少し冷たいけれど、心温まる場所がある。近くにはこれまた地元住民のみが利用する湧き水があるので、汲んできた名水とともにオーシャンブルーへ青春を重ねたい。