皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 入口

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 ~カブトたちの楽園~

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 (わかはた)

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 入口

About 皆瀬村立奥宮小学校若畑分校

秋田県湯沢市皆瀬若畑にかつて存在した学校。1954年に冬季分校として正式に設置されたが、1976年に閉校した。建物は2023年8月に解体されてしまった。

スポット評価

終末度合い11
訪問難易度16
観光地要素16
化石的価値10
総合評価53

一期一会の集落との出会いこそ旅の醍醐味だ。本校までの道のりを考えれば、小さな土地に学校が置かれたことも容易に納得できる。

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校のさじなげB級ポイント

湯沢市皆瀬の退廃は強烈なインパクトを見せつける。廃村はもちろんのこと、役所支所周辺ですら1ミリの活気も感じられない。小安温泉郷の奮起はいつかまたお目にかかれるのだろうか。

絶望的アクセスに気持ちを乗せて車は走る。度重なる人権侵害にも負けず、ダムへの飛び降りを断念してJA-SS皆瀬給油所から南に1km進むと左に集落入口のバス停がある。しかし入るとすぐ森への突入となる。

皆瀬桜坂

鳥海百宅を思い起こすS字と登り坂が続く。道のりが寂しいときはCD全盛期のJ-popをかけるに限る。しかしランダム再生はゴスペラーズの「ひとり」を選択し、厳しい令和の世を憂いていた。

景観をウリにするグループホームを横目に見れば若畑集落は近い。ひと夏の思い出に視覚のアクセントは欠かせない我々である。

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 入口

右が北を示す気持ち悪い手作り看板がありがたい。3km登った頂上から見下ろす集落の姿を忘れることはない。数戸が暮らすだけの小さな空島だ。

入口付近にはカシマサマも綺麗に管理されており、この土地だからこその住民自治の強固さを感じさせる。

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校 跡地付近

残念ながら往時の校舎は残っていないが、中心地には「カブト館」という集落会館が建てられている。周辺に比べると綺麗でよく利用されているようだ。

皆瀬村立奥宮小学校若畑分校は6年生までが通う一学級制で、1960年代には20名ほどが通っていたというが正式な記録はほぼ残っていない。(参考:秋田・消えた分校の記録

皆瀬谷地頭

集落南部の奥宮峠頂上付近から若畑を見下ろす。遥か遠くに見えるのが皆瀬の中心地(菅生)であり、わずか3kmとはいえ本校への道のりが厳しかったことを示している。ちなみに峠を下るといこいの村まで車で到達できる。

また、奥宮小学校は1978年に皆瀬小学校に統合されている。皆瀬村史(1993)を確認したが分校の歴史記述が少なく、口惜しい印象を受けた。