天鷺遊園ファミリーランド ~忍者、永遠に眠る~

天鷺遊園ファミリーランド(あまさぎゆうえん)

天鷺遊園ファミリーランド 入口

のりものも迷路も、何も残っていやしない。

About 天鷺遊園ファミリーランド

秋田県由利本荘市岩城町下蛇田字高城にかつて存在したレジャー施設。現在は役場いわく「休園」扱いになっているが、建物はおろか往時を感じられるものはほとんど取り壊されている。

スポット評価

終末度合い22
訪問難易度12
観光地要素12
化石的価値24
総合評価70

他スポットと違い完全なる栄華を誇った時代がありながら、これほどまでの退廃具合には屈服せざるを得ない。子供はもちろん大人も近づかない仕様になっているので、ある意味本当に忍者の隠れ家と化した。

特徴

由利本荘市亀田地区は特産物に「プラムワイン」を有する城下町であり、近年は戦国武将「真田丸」ゆかりの地としても知られている。大河ドラマで取り上げられたことにより、観光客もこれまでになく増えているという。

町の中心地には藩政時代の天守閣を再現した「亀田城(天鷺城)」があり、秋田には珍しく歴史情緒を感じられるエリアとなっている。

亀田城 天鷺遊園ファミリーランド 手前

城内にはおみやげ店のほか、観光案内やレストランなどが入っている。

亀田城周辺には当時を再現した茶室や地元工芸作家の美術館、さらには用水路の散歩道などもあって観光にはピッタリのスポット。幹線道路や駅から絶妙に離れているその立地も旅行意向を掻き立てる。

そして観光客をかつて大いに喜ばせていたのが、1989年に満を持してオープンした「天鷺遊園ファミリーランド」だったのだ。当時の貴重なCMが残っている(1990年頃放送)。

CM終わり際のカットを見ると、かなり大きなレジャー施設だったことがわかる。90年代前半には、「秋田厚生年金休暇センター」と並ぶ岩城の2大観光スポットとして高い注目を集めていた。

「天鷺遊園」は2008年をもって閉館しており、あれから10年…現地は廃れきっていた。

天鷺遊園ファミリーランド 現在の全景

建物はすべて解体され、もはや原野に戻ろうとしている。

しかし(あえて名称は出さないが)、「象潟の遊園地」や「大潟村の植物園」のように、全く跡形もなくなっているというわけではない。かろうじてではあるが、「休園中」として命をつなぎ留めている片鱗を感じることもできる。新築という可能性もワンチャンある。でも小学校はもうない。

天鷺遊園ファミリーランド カート広場

ゴーカートが5台残っていたので、1台引きずり出してみた。

カートだって足で蹴ればまだ遊べるんだ!ハンドルは握ったら崩れてくるけどそれでも遊べるんだ!

…コンクリートに埋まったへこへこのタイヤたちが何か語りかけてくるようで。亀田版奇跡の一本松が、ここに残された者たちの志の強さを物語っていた。

天鷺遊園ファミリーランド 当時のチラシ

当時のチラシがある。時代背景も考えてフォントのダサさには目をつむるとして、かなり気合を入れた施設だったことが見てうかがえる。ときのバブル長者、全国レジャー施設の主役として輝いていた「スカイサイクル」も安定の入り込む安定のラインナップだ。

これを見ると改めて「笹倉公園スカイサイクル」の存続を願ってやまない。どうか無事故で…

CMにもチラシにもあるように、施設の目玉は「巨大あまさぎ忍者迷路」だった。木造迷路というだけでなく、忍者らしいドンデン返しや鏡張りなどのアクションもあり、好評を博したという。更には全長586mのスーパースライダー、ジャンボすべり台、動植物園(これだけは現役)など老若男女問わず一日中楽しめる施設だったヨネ。

天鷺遊園ファミリーランド 園内比較

ポテンシャルはかなり高そうだが…

 

閉園前に訪問したブログを見ると、首の皮一枚なんとかつなぎたいという切ない気持ちが伝わってくる。忍者たちはいったいどこに行ってしまったのだろうか…

時を越えて施設の面影はほとんどなくなってしまったが、あらたに廃墟・終末スポットとしての価値は少しづつ増してきている。いまこそ新たな形での”復活”が望まれる。施設入口にある「忍の泉」は誰に見られずともわき続けている。これは小さな命を絶やしてはいけないという忍者からのメッセージなのかもしれない。

天鷺遊園ファミリーランド 鯉のエサ販売機

忍者迷路跡地の奥にある池手前にある自動販売機にて。

ぼくたちはたべられません。by忍者

コンテンツを食い荒らしてしまった行政への静かな怒りが、ここに隠れていた。

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