サンプラザ好風亭 ~駅前廃墟の歴史を求めて~

サンプラザ好風亭(こうふうてい)

サンプラザ好風亭 冬

冬のプラザ。寂しさが際立つ

About サンプラザ好風亭

仙北市田沢湖生保内(おぼない)宮ノ後8番地にある廃墟ホテル。駅から約100メートルという好立地でありながら、「田沢湖に近くない」ということで他の宿泊施設を差し置いていち早く閉館。以降解体されないまま現在に至っている。

スポット評価

終末度合い17
訪問難易度5
観光地要素6
化石的価値19
総合評価47

秋田駅前で長年その姿を見せつけていた有名廃墟「ホテルハワイ(駅前店・中通店)」は先日解体が発表され、中通店跡地には分譲マンションが建築される予定だという。しかし「好風亭」は吹きすさぶ内陸の風に今日も耐え続ける。道路向かいにスーパーもあるので非常に訪問しやすいが、建物隣に交番があるのでさりげない注意が必要だ。

特徴

仙北市田沢湖地区はその名前にもなっている日本一の深さ423メートルを誇る湖「田沢湖」が有名であり、かつて絶滅していたと思われていた幻の魚「クニマス」が遠く山梨県で生き残っていたことが「サカナくん」の功績によって発見された。近年は「田沢湖温泉郷」を筆頭としたインバウンド施策にも力が入っており、同市もう一つの一大観光地「角館」と共に観光業で通年賑わっているエリアといえる。

そんな中、駅前にうまく隠れているのがこの「好風亭」だ。

サンプラザ好風亭 春

サンプラザの春…は再びやってくるのだろうか。

相変わらずインターネットに全く情報が出てこない秋田の廃墟たち。もちろんこやつも例外ではないが、なんとか生きた証がないか調べてみた。

観光みどころマップ(協和峰吉川)のときも活躍した「マップル秋田県版’95」を開いてみると、同一住所と思われる箇所に「六三郎」という居酒屋テナントが入っていたことが確認できる。

 

郷土色あふれる山芋の鴨鍋が、六三郎の名物。(中略)2つの味がかもしだすハーモニーは、名物というのにふさわしいもの。 ―マップル秋田県版’95(昭文社/1995年)

 

更に「県別マップル秋田県 広域道路地図(昭文社/1998年)」を開いてみると、同一住所と思われる場所に「旅館 六三郎」という記述が確認できる。推測するに、元は「サンプラザ好風亭」という名称の複合テナントビルであり、居酒屋や旅館要素が入っていたのだろうか。

加えてマップルに載っていた六三郎の電話番号で検索すると、岩手県のIT企業「デジタル・カルチャー・テクノロジー」名義の観光案内サイトのようなものが出てくる。そこでは六三郎の電話番号の名義が「ホテルたつこ姫」と記述されている。Webサイトの更新情報が1996年と明記されているため、ここまでの情報が正しいとすると旅館 六三郎が1995年に閉館し、中身がホテルたつこ姫に入れ替わったということなのだろうか…?

更に更に検索すると、「ネットの電話帳 住所でポン!」には2000年にはホテルたつこ姫の名称がなくなってサンプラザ好風亭名義の電話番号登録になっている。また、仙北市商工会田沢湖支所のホームページ(化石)を閲覧してみると会員企業の中に「株式会社 享宴」として登録された住所と電話番号が見受けられる。

商工会のホームページが2003年更新で、住所でポンの2007年版には一切の登録がない。株式会社 享宴が現在も存在するかは不明だが、この空白の4年間に全テナントがその歴史を閉じたと考えるのが妥当ではないか。

いずれにせよまだ亡くなって10年余りと思われるが、廃墟となった建物の荒廃はあまりにも早い。幾重もの時代をくぐりぬけたとしても、人の手が入らなくなるというのは実に悲しいことだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA