海苑薫風荘 (かいえんしょうふうそう)
About 海苑薫風荘
秋田県にかほ市象潟町中橋町にある廃旅館。長らくギリギリのところを耐え忍んでいたが、2020年9月に閉館した。建物がそのまま残されている。
スポット評価
終末度合い | 18 |
訪問難易度 | 08 |
観光地要素 | 16 |
化石的価値 | 17 |
総合評価 | 59 |
例え新人としても、朽ちかけた時期が長ければ立派な廃墟になられる。強い海風にさらされて、まさに香ばしくなった旅館もまた一興である。
海苑薫風荘のさじなげB級ポイント
傷の癒えることがない。道の駅象潟脇にあったはずの観覧車を誰も覚えていやしない。みんな草むらから温泉の裸体を眺めていたせいだ。そうに違いない。
それに物見山からは何も映らない。地域への不法入港という意味では仲間がみえるかもしれない。
HPかっこつけすぎなさんねむ温泉に浸りながら、我々は思い出にふけっていた。
山形の出張で宿がとれなさすぎてここに泊まった日。美しい朝日の向かいで数台が停まるくたびれた旅館があったこと。薄い記憶は経年劣化にまみれ、なくなろうとしている。
結局5年ぶりにその地を訪れていた。中毒症状に近い快楽を感じて居る。
夕陽の宿を遮るその存在、彼はきっと闇を知っているに違いないからだ。
リニューアルは時代を越えて
海苑薫風荘は2020年に閉館したビジネスホテルで、始まりは1960年に建てられた保養所が1996年に改装されたもの。享年27歳とあまりにも若い旅立ちだった。
周辺は広大な駐車場とともに荒地となっている。手前が料理店、奥が旅館入口のはずだが非常階段の主張が強すぎる。都会からやってきたITベンチャーにでも怒られそうなデザインだ。
内装は普通のビジネスホテルで悪くないように見えるが、不運にも令和のご時世が最終通告となってしまった。不正を働いたエ〇セル君に代わって生き延びることはできなかったか…。
ちなみに、建物入口には芭蕉の句を解説した看板が付けられている。そう遠くない未来に解体されたとしても、これだけは何とか守って欲しいと思う委員一同、そして芭蕉なのであった。