南外湯ノ神温泉郷 (ゆのかみ)
About 南外湯ノ神温泉郷
秋田県大仙市南外湯神台にある温泉施設及びその跡地。現在は「神湯館」1軒のみとなったが、かつては5軒の旅館が営業していた。
スポット評価
終末度合い | 12 |
訪問難易度 | 11 |
観光地要素 | 16 |
化石的価値 | 17 |
総合評価 | 56 |
農山村の中心地は温泉湧き出るひなびた田園地帯だが、かつての温泉郷としての姿は失われつつある。強首温泉同様、空前の灯であることを覚えたい。
さじなげB級ポイント
大仙市の中心地は大曲ではなく南外村である。大内・神岡・大森に通じる田舎訪問の要所であり、十文字ラーメンを切り裂く天空の郷なのだ。
南北を貫く県道30号線が近年改修され、集落を通らなくなったことでより南外南部はより静けさを増してしまった。
くりから淵と出羽グリーンロード手前の黄色い建物は外小友小学校跡地で、1965年に閉校し逆川分校などと共に南外西小学校へ統合された。
そんな廃校跡地に姿を潜めるのが湯ノ神温泉郷だ。1960年の石油採掘時に田んぼから湧き出したのをきっかけに5軒の旅館がひしめき合い営業を開始した。
しかし4軒は何処へ、いまは10年以上前から「神湯館」だけが姿を残している。日帰り入浴はわずか150円で利用可能。ペットボトルにお金を投入する。
上質な石膏弱食温泉として名を馳せた「恵泉荘」「万福館」は跡形もない。特に後者は自炊部と旅館部に分かれ、自炊部は混浴で知られていた。料金はいずれも1泊2日5,000円ほどで、農閑期は時に好まれたという。
ちなみに周辺には温泉跡地が複数あり、南外大向にも温泉(集落会館の位置と思われるが詳細不明/昭和中期まで存在)、隣の大曲内小友集落にも鶴の湯温泉と呼ばれる民間施設があった。後者は大正3年の開湯で、長期間滞在者向けだったという。
いずれも湯治場として農家を中心に親しまれたそうだが、現存する資料が少なく詳細は謎に包まれている。市町村史に現代編をそろそろ追加すべき時節にある。