二ツ井町窓山

廃村 二ツ井町窓山 ~開かれた終焉~

廃村 二ツ井町窓山 (まどやま)

廃村 二ツ井町窓山 道中

About 廃村 二ツ井町窓山

秋田県能代市二ツ井町梅内窓山にある集落跡。2006年に実質的な廃村となるが、住居1戸が現在(2018年取材時)も通いで使用されている。

スポット評価

終末度合い16
訪問難易度19
観光地要素18
化石的価値19
総合評価72

二ツ井町最北端ということで訪問は困難を極めると思いきや、藤里から訪問するルートはそこまで難しくない。辺りを完全なる緑に囲まれながら見下ろす景観は絶品であり、鳥海町高山の上位互換といったところか。

二ツ井町窓山のさじなげB級ポイント

能代市旧二ツ井町は南北に広く、その両方が非観光地なために知名度は非常に低い。それでもまだ南側は日本一の天然秋田杉があり、そこまでの道中は比較的整備されているため容易に訪れることができる。

しかしながら北部の知名度は皆無といっていいだろう。数年前の国道7号線ルート変更により、県道202号線とはわかりやすい交差点ができあがった。ソイツを北に入れば我々の好奇心は再び動き始めるのだ。

廃村 二ツ井町窓山 梅内

種集落、廃校(旧種梅小)、種梅集落を抜けると小集落が続いていく。

五城目町北部や大館市田代地区に近い感覚だろうか。だんだんと山に近づいているのがわかる。そして石坂集落でバスの回転地を確認すれば、いよいよ本番のスタートである。

石坂

今回は久々のgoogleストリートビュー完備のため、是非これを見ている皆さんも先人たちが歩んだ道中を見学してほしい。

人気を忘れたころに現れる黒瀬集落と大畑集落にビビらなければ、あなたも立派なさじなげ委員入りができるだろう。特に小高い丘の上にある大畑集落は藤里町の名不知集落に似た雰囲気がある。

google社員へねぎらいの言葉をかければ手前の小滝集落が登場だ。10kmほどの区間だが、これほどまでに点在する小集落が生き残るエリアは珍しい。ますます藤里の情景を思い浮かべてしまう。

行き止まりではないことが、せめてもの救いになっているのかもしれない。

廃村 二ツ井町窓山 橋

岩家沢支線と書かれた看板のある方ではなく橋のある方に右折し、未舗装道のヘアピンカーブを登る。そして見える舗装道に240度右折すればようやく窓山が見えてくる。

確かに集落があったことを感じさせる開けた空間、そしてどこからかやってきたインフラ電柱に涙を流さずにはいられない。近代の先人に敬礼しよう。

廃村 二ツ井町窓山 集落跡

偶然にもため池で作業している一人の男性がいたが、見事に無視されてしまった。見慣れない車だったからだろうか…

また、写真の掲載はできないが現在も使用されている一戸の前は小型船(どうやって運んだんだ…)や中古車が数台並んでいた。まさに男の別荘といったところか。

窓山再生ワークショップ
10年ほど前には再生に向けた取り組みも実施されていた。

窓山地区の変遷に関してはこのページが詳しい。かつては二ツ井最北端の集落として、最大5戸が恵まれた自然と共に暮らしていたのだ。
ポスター画像は、窓山を抜けて藤里町へ入る山道の入口にある沼である。デザイン上省かれているが、ここで見殺しにされているガードレールの異質さは常軌を逸している。是非現地で確認してほしい。

【追記】
1987年の住宅地図では2戸の生活が確認できた。