廃村 鳥海町高山 (たかやま)
About 廃村 鳥海町高山
秋田県由利本荘市鳥海町栗沢字高山および蛇喰(じゃばみ)にある廃村。観光名所である「千本カツラ」に向かう道中にあり、地図上はわかりにくいがなかなかの高地にある。集落からは下にある伏見地区が一望できるため、フォトジェニックな廃村といえよう。
スポット評価
終末度合い | 19 |
訪問難易度 | 18 |
観光地要素 | 16 |
化石的価値 | 21 |
総合評価 | 74 |
道中の上り坂はかなり急こう配のところもあるので、訪問時は軽自動車サイズでないと厳しい。それでいて崖になっている場所もあるため脱輪は死を意味する。しかしながらその絶景に加え、山道を下るともうひとつの廃村「沢内」にもたどり着くため訪問価値は十分にある。
鳥海町高山のさじなげ的B級ポイント
由利本荘市鳥海町の中心エリアである伏見に所属しながらも、高山から見る風景はまるで山の向こうの隣町のようだ。車がない時代、どのように通学したのかを考えればその歴史への重さを感じてしまう。
名著「秋田・消えゆく集落180」を見つつ集落への道中を探ると、バス停下伏見から山側に1キロほど進んで見える牛越を起点とし、中ノ沢と赤沼は確認できるが「二階」という集落がわからない。昭和の地図で確認すると、現在googleマップ上で表示される「和菅」という場所がそこらしい。
それを鑑みると和菅(二階?)から沢内廃村と千本カツラを経由して高山に至るのが本来の道路ということだろうか。現在の山道は平成6年に整備されたものらしいので、そう考えると高山がいかに遠い場所だったかがわかる。

高山の標高はおよそ280メートル。牛越やバス停下伏見付近が標高100メートルなので、訪問時にはこの先に集落跡が存在するのだろうかと不安になるほどの急こう配が続く。
先人たちの田園開拓は偉大である。ここに人の生きたあらましが存在することを、全く関係ない赤の他人のはずなのに親近感を感じてしまう。それほどまでに高山からの景色は偉大だ。
中央奥のはるか遠くに見えるのがまちの中心。最盛期3戸らしいので…少し手前にある蛇喰と表示された場所に2戸、その上にある1戸とあわせてで高山なのだろう。牛越からS字カーブを登った先に分かれ道がある、左が高山、右が千本カツラに至る道である。
その分かれ道からでさえも、先に集落があることは見えない。可能性を信じて進むしかない。誰もかも忘れてしまった絶景にこそ、人間のたどり着かない神の叡智があるのかもしれない。