尾去沢鉱山倶楽部 (おさりざわ)
About 尾去沢鉱山倶楽部
秋田県鹿角市尾去沢字軽井沢にかつて存在した娯楽施設。鉱山従事者用の福利厚生を目的に建てられたもので、老朽化に伴い2004年に解体された。
スポット評価
終末度合い | 12 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 10 |
化石的価値 | 07 |
総合評価 | 42 |
相変わらずたいへん資料が少なく、残念でならない。時代が許せばクラウドファンディングなどで存続する道もあったのだろうか。その無様な現在をご覧いただこう。
尾去沢鉱山倶楽部のさじなげB級ポイント
いつでも恐怖が味わえるナチュナル歴史遺構「尾去沢鉱山」は現地だけが楽しみではない。
絶滅した市営住宅や渋すぎる自治会館まで、1日では回り切れない昭和リゾートなのだ。
しかし複数日まわろうものなら、知識が増えすぎて栄養過多になってしまう。バランスが大切だ。
地区の中心地には体育館があるが、三角地の不自然な場所にある。
ここはかつては「購買会」というスーパーマーケットのような施設があった場所だという。
1996年に解体されており、画像資料は一切出てこない。ドウシテ…
すぐ手前の現役のバス停(かつての詰所)に降り立ち、木目調の市民センターに向けて坂を下りていけば倶楽部入会が可能だ。
訪問時、尾去沢中学校の女子生徒とすれ違った。よほど不審者に見えたのか、熱い視線が注がれていた。あふれ出る唾液と発情する手元、構えたカメラは君たち用ではない。安心してほしい。
無策なミニマリスト
尾去沢鉱山倶楽部は開業年不明、明治時代から日本の鉄鋼業を支えた大鉱山で働く鉱山夫たちを支えた旧世紀版イオンモールである。
1943年に4486名の従業員を数え、月産10万トンを記録した。類似する小坂鉱山は1900年代初頭が全盛期を凌ぐ勢いで、日本屈指のドル箱へと成長した男たちの心の支えだったのだ。1966年に製錬部門が廃止(78年閉山)するまでは日夜大いに賑わったことだろう。
70年代後半の地図を見てみよう。画像中央にあるのが鉱山倶楽部で、左の赤い建物が「購買会」、その上にある緑の建物が鉱山病院だという。
その周辺にあるのはすべて鉱山社宅の長屋である。これは現在でも数棟生き残っている。
しかしこれがOKで倶楽部がダメだった理由、素人にはわかるはずもない。
大きいというのはときに不便なものだ。軽自動車が憎らしそうに我々を睨む。
どこか不思議な砂利の入口、それは美しい歴史の面影を残す玄関なのである。
斃れた柱だけがそれを伝えている。彼はもう排除されたかもしれない…お達者で…。