仁賀保母子寮 サムネイル

仁賀保母子寮 ~プラントたちの逆襲~

仁賀保母子寮 (にかほぼしりょう)

仁賀保母子寮 内部

About 仁賀保母子寮

秋田県にかほ市平沢京田にある子育て支援施設。90年代前半まで稼働していたが、その後は植物専用の共同住宅となっている。

スポット評価

終末度合い24
訪問難易度17
観光地要素15
化石的価値22
総合評価78

当委員会新登場の大型新ジャンルとなる。記録から抜け出した町の魅力は、やがて大きなゴミ…ではなく力となって我々に降り注ぐ。恵みの雨は少子化を穿つスパンコールなのだ。

仁賀保母子寮のさじなげB級ポイント

予想外に仁賀保町の記事が少ないのには理由がある。合併前のエリアがわかりづらいせい。

駅前周辺以外の管轄がさっぱりピンとこない。昔の地図を開くと、国道7号線沿いには全く建物が存在しておらず、平成にかけて大きく街並みが変わってきた地区でもあるからだ。

仁賀保雇用促進住宅

雇用促進住宅がお目見え。フェライト子ども科学館仁賀保庁舎がある町中の中心地だ。秋田市よろしく、人口減少化にありながら別の生活用地を作った結果どうなるかはお察しである。

かつては駅北側のみが仁賀保町内で、水道局や促進住宅が駅裏のはしりだった。

仁賀保母子寮 入口

それらから駅前に向かう矢先、不敵な笑みを浮かべる薄ピンクの建物が見えるはずだ。

これは一般家屋ではない。見えないように丘だった立地にも理由がある、歴戦の廃墟ということ。

自立促進の灯

仁賀保母子寮 入口
仁賀保母子寮 側面

仁賀保母子寮は開業年不明で、市史にもその記述が観られない。大館市などは戦後復興のあたりに旅館から独立したボランティア施設として誕生したという情報があり、その歴史は古いとみられる。

90年代はじめには地図からその名を消し、現在県内には7棟が残っている。しかし県南には横手市にある1棟のみで、にかほ市には該当施設が存在していない。

仁賀保母子寮 内面
中身

内部はところどころガラスがあいており、そこから枯れ木が侵入してえげつない気味悪さを演出している。クロッキーしたら嘔吐してしまいそうだ。

床面にもツタが広がり、子供ゾンビが出てきてもおかしくない状態だった。家財は一切無く、寮だった形跡はほとんど確認できない。

仁賀保母子寮 木々

そもそも「母子寮」というのは「18歳未満の児童を養育する配偶者のない女子、またはこれに準ずる女子とその児童」のために作られた施設である。要するに駆け込み寺のようなもの。

今となっては建物自体がワケアリで臨まない管理を受けており、経緯を感じるとあまりにも残念な末路となっている。ここで人生を助けてもらった方が見たら、いったいどう思うのだろうか…。