鹿角市上新田 サムネイル

廃村 鹿角市上新田 ~崩された近代集落遺産~

鹿角市上新田 (かみしんでん)

鹿角市上新田 外観

About 廃村 鹿角市上新田

秋田県鹿角市尾去沢吉沢出口にある集落跡地。最盛期8戸で、1988年までに個別移転で全戸が離村した。田んぼは管理されているが、家屋のあった場所には工場が建てられて無機質な姿へと変容した。

スポット評価

終末度合い16
訪問難易度17
観光地要素13
化石的価値12
総合評価58

鉱山の歴史に追随する地域のため、衰退の速度が通常の農村とは少し異なる。道中は途中からぬかるんでいる未舗装道だが、耕作された土地はまだ生きている。

廃村鹿角市上新田のさじなげB級ポイント

矢島鳥海に並ぶ廃村点在地帯鹿角市のアニキがまたしても掲載の一途を辿る。

南部の史跡 尾去沢鉱山から更に奥、県道66号線の峠を越えて大館市との境にある三ツ矢沢地域への入り口を告げる「中新田」の看板を確認しよう。

鹿角市中新田 入口
左折が中新田、奥が下新田
鹿角市中新田 清流

三ツ矢沢は中新田と下新田からなる十数世帯の小さな集落で、尾去沢鉱山とも関係が深かった。近年では住民自治による地域創世に力を入れている。

訪問時はあずまやが建築前だったのでまた見に行きところ。そしてこの美しい岩肌、清流のせせらぎと併せて是非現地でご確認いただきたい。

鹿角市上新田 外観

廃村上新田は中新田からわずか1km東にあるが、住居跡は無残にも全て工場敷地となっており、車の往来も活発である。

秋田・消えた村の記録」では「(1991年の訪問時)10戸近い家がまとまっているが、みんな移転してしまったという。もぬけの殻となったあの光景は今も印象深い」と綴られている。しかしそれも無い。2016年に訪問しているサイトには家屋が載っているが、ここ数年で様変わりしてしまったようだ。

鹿角市上新田 学校跡

中新田の入口には、3地域の児童が通った「鹿角市立三ツ矢沢小学校」(1956年尾去沢小の分校から独立~1974年廃校)の石碑が建っている。田んぼに埋もれているが、ここが現地だという。プール跡は見つからなかった。

また、上新田と尾去沢鉱山の間にも田郡や赤川の分校があったというが、現在は廃村かつ私有地となっており訪問できない。観光ツアーの再開を望むばかりだ。