藤里町立坊中小学校 (ぼうちゅう)
About 藤里町立坊中小学校
秋田県山本郡藤里町藤琴字上坊中86にある廃校。2000年に廃校し、2004年からは建物そのままに体験型宿泊施設「白神ぶなっこ教室」へと変容している。地名がややこしいが、中学校を兼ねていたわけではない。
スポット評価
終末度合い | 14 |
訪問難易度 | 12 |
観光地要素 | 18 |
化石的価値 | 17 |
総合評価 | 61 |
建物自体が年季を感じる風格なのはもちろんのこと、児童が通った気配を感じさせない立地には感嘆の一言。宿泊する価値は十分にあり、大人向け施設にシフトしたほうがいいのでは。
藤里町立坊中小学校のさじなげB級ポイント
ようやく当委員会で町中フジサトが登場である。この町は廃墟廃村という概念で語るにはあまりにももったいない。歴史と山林が不思議を覆いつくすワンダーランドなのだから。
二ツ井からの北上は秋田県民でも中々足が及ばない。日常という異常の連続に自然とときめきを失っているからだ。目的がなくともこの町は楽しみと思い出を提供してくれるというのに。
町役場から更に3kmあまり北上するともう田舎サイレントで償いを私に頂戴。
このまま冬季行き止まりかと思いきや、右手に白神山地世界遺産センターやゆとりあ藤里などが集ったエリアが見えてくる。これこそ町唯一の観光エリアだ。廃校は橋を渡ってその左手にある。
校門が狭い川べりに沿っているのでやや戸惑うかもしれないが、奥に回転地(グラウンド)があるので車で入っても問題ない。決して大きな看板はないものの、ハッキリと昭和の校舎であることがわかる。
ザ・秋田の廃校な佇まいだ。この勇壮さを我々も20代のうちに身につけたかった。
校舎は教室・体育館共に再利用されている。しかし訪問した日は一人もおらず、ワーケーションには予約予約が必要そうだった。惜しくも意識低い系イキりビジネスマンになりそこねた。
ちなみにグラウンドの脇には石碑があり、「1877年藤里小の分校として設立、1936年独立、1983年金沢小学校(※解体済)を統合」と記されていた。この歴史が統合先の学校ページで確認できないのが残念でならない。
藤里町は鉱山集落や里山エリアでの廃村、それに伴う学校統廃合も多いエリアである。しかしながらそれを外部に残していく手段やツールが乏しいのが現状である。
かろうじて町史や学校教科書には一部が記載されているが、取りまとめた文献が存在しない状況となっている。10年後にはその行動すら起こせなくなってしまうが、果たしてどうなるか…