廃村 藤里町長場内 (おさばない)
About 廃村 藤里町長場内
秋田県山本郡藤里町粕毛字長場内にある廃村。2012年離村(個別移転)とされ、最盛期には14戸が住んでいた。300年以上の歴史ある集落で、1802年には紀行家として知られる菅江真澄が泊まったとされている。
スポット評価
終末度合い | 12 |
訪問難易度 | 13 |
観光地要素 | 11 |
化石的価値 | 10 |
総合評価 | 46 |
すぐ手前まで現存の集落(端家)があり、南にある大野岱から通じる道路もあるため現在はアクセスも悪くなく廃村の雰囲気は薄い。北にある素波里(すばり)ダム訪問時に合わせて訪れておきたい。
さじなげB級ポイント
藤里町は役場のある中心+北東の藤琴地区、廃村大川目などに続く南東の大沢地区、そして今回訪問する北西の粕毛地区の大きく3エリアに分類されている。
いとくで飲み物を購入してから役場を通り過ぎ、藤里中学校を通り過ぎて直進していくと開けた山道が続いていく。二ツ井からの道中よりも楽しい旅路となり、元気を取り戻すことだろう。
そしてアルビオン白神研究所を通り過ぎ、一里塚のような木々たちをくぐった先の「素波里キャンプ場」の看板に抗って左折しよう。※下マップ参照
左手に川が見えてくると、寂れた細い橋が現れる。本筋には関係ないが、せっかくの遠出なのでこれも撮影しておこう。
小さな橋を通り過ぎ、左手に見える長塚橋を渡ると上画像の作業小屋が見えてくる。ここが長場内である。耕作がされているため、廃村であることを感じさせない様相をしている。
よく見ると森に入っていく道路がある。こちらに入り込んでいくのが我々委員会の定めなのだから。ケツメイシの「旅」がゆるやかなカーブを引き立てる。入ってすぐの坂道が上とサムネに載せた画像である。
100mもない急な坂を上ると、開けたエリアがあるのかと思いきや画像の通り車1台が展開するだけのわずかなスペースと雑木林が左手に広がっている。電柱はここで途切れ、「長場内線」の22番が旅の終わりを告げるのである。
田んぼは粕毛川沿いに開けた平坦地であり、移転者2戸と近隣集落の人たちが耕作し綺麗に管理されている。川の近くに数棟作業小屋が残っているが、山手側にあった建物は全て解体されて何も残っていない。
秋田・消えゆく集落180(無明舎出版・2017年)
何気ない集落前の作業小屋のようで通り過ぎてしまう長場内地区だが、そこにも長い歴史があったことを忘れてはならない。
普段見ている風景の中にも、廃墟や廃村のヒントは残されている。空虚となった丘の頂上に佇み、ケツメイシの「東京」を聴く昼下がりであった。