横手温泉 (よこて)
About 横手温泉
秋田県横手市大沢高寺にある廃温泉。建物がそのまま残るが、全く活用はされていない。誰しもの目に入る秋田県道107号線に面しており、視認したことがある方も多いはず。
【追記】「横手温泉は別敷地だったのではないか」との指摘があり、現在調査中です。
スポット評価
終末度合 | 20 |
訪問難度 | 15 |
観光要素 | 15 |
化石価値 | 21 |
総合評価 | 71 |
中心市街地にありながら高得点を記録した。生い茂る退廃に見過ごすドライバーは幾人いたことだろうか。ハコを増やすとどうなるのかがよくわかる近未来物件である。
横手温泉のさじなげB級ポイント
我々は今さらゆうゆうプラザの話をしたいわけではない。横手駅前には数多くの公的温泉が立ち並び、市民の反感を買っていることは想像に容易い。
悪目立ちする大人がのさばる時代錯誤のルーラル地域では、老若男女問わず道連れの運命にあるのだ。
ときは2023年、何度目かの再開発によって横手駅前は大きな変貌を遂げようとしている。もちろん談合めいた施工不良も散見されたが、寂れ逝く町に太いパイプはつきものである。
当委員会もこよなく愛する昭和レトロの名手「横手ステーションホテル」は、9月末で営業を終了する。限界を超えた8月末現在は、シングルルームをカップル向けに貸し出すという荒業で最後の華を咲かせ続けている。散り際まで美しいとはあっぱれだ。汁が止まらない。
彼がその命を閉じたあと、秋にでも拝みに行きたいと思う今日この頃。
今回は市内に残る廃墟先輩を紹介しよう。これからの運命を感じ、目を閉じてもらうために。
おいしさそのまま大減量
横手温泉は廃業年不明。少なくとも90年代後半には廃業していたとみられるが、そのネーミングセンスにより情報収集が困難となっている。
建物は坂道の上にあり、北上線に乗れば電車内からその姿をまじまじと観察することができる。
70年代の後半には現在の赤色とは異なる屋根が確認できる。しかし形状は同一のため、旧横手市内のにぎわい創出(笑)を遠目に観察していたことだろう。
現地に行くとわかるが、線路の関係で入口がとても狭い(軽自動車でギリ)なことに驚く。車社会の到来を信じていなかったのか、搬入業者にはさぞ評判が悪かったに違いない。
建物には規制線が貼られており、「解体予定のため調査業者が出入りします」と書かれていた。
…なんと我々を歓迎してくれたのだ!調査が遅くなり申し訳ない。町の未来のためにその証を紹介することとした。できればついでに廃業した原因も調査していただきたい。