廃村 鳥海町沢内 ~プライドへの問題提起~

廃村 鳥海町沢内 (さわうち)

廃村 鳥海町沢内 手前

集落跡への入口。かなりの登り坂。

About 廃村 鳥海町沢内

秋田県由利本荘市鳥海町栗沢字明通にある廃村。観光名所である「千本カツラ」に向かう道中にあり、地図上はわかりにくいがなかなかの高地にある。手前の姥ヶ懐台から100mほど登った先にあるが、近隣もう一つの廃村である「高山」とは違って電柱が伸びているため、訪問時見失うことはない。昭和45年移転。

スポット評価

終末度合い16
訪問難易度16
観光地要素19
化石的価値22
総合評価73

高山とは違って手前の田畑もよく耕作されており、人の往来を感じることができる。手前の集落から直線距離ではそこまで離れていないので高山より訪問もしやすいが、その分歴史が止まりつつある土地であることを強く感じてしまう。そこにある矜持は我々には計り知れないのだ。

特徴

由利本荘市鳥海町の中心エリアである伏見に所属していて、訪問時は伏見のメインストリートにある鳥海民の憩いの場「丸安商店」脇にある下り坂がその入口となる。

一生作られることはないであろう橋げたを見つつ坂を下ってからが長い上り坂のスタートだ。下谷地の手前から左折して姥ヶ懐、和菅と進んでいった先にある。googleマップ上では「高山」と表記されているがこれは誤りで、表記下の小さな田畑が沢内だ。よく見ると中央に小屋がひとつ、そして上から見ると森に隠れているが、奥に大きな家屋がひとつ残っている。

廃村 鳥海町沢内 入口

坂を上った先の集落手前。雑な「千本カツラ」の看板が粋だ。

名著「秋田・消えゆく集落180」によれば最大家屋数は2戸。畑はタバコ栽培によるものだという。

2016年の初訪問時には通うための3輪カートが確認できた。紅葉に彩られた沢内の景色は、これからも永遠に続くもののように感じられた。しかしそれは人間が思い描く勝手な理想だろうか。

廃村 鳥海町沢内 集落

現役の4輪カート。ベタ踏みで上がってくるのだろう。 ※上の写真の逆側

地元の方の案内で訪問したが、地元(伏見)の方でも「ここ名前なんだっけな…姥ヶ懐だったかな…」と忘れられそうになっていた。実際我々も調べるまでわからなかったので反省したい。

先述の通り姥ヶ懐は2つ手前の集落になるが、ネットの電話帳で調べると姥ヶ懐ですら2012年の段階でも登録は2世帯のみ…。2000年でも3世帯…。愛しさと切なさと心苦しさが募る。

廃村 鳥海町沢内 名称

そこにはかろうじて名前が残っていた。

高山にはなかったが、沢内からの千本カツラの入口には「民有林々道 沢内線 起点」との記述があった。”平成6年の舗装道路完成”というのがどこまでの範囲なのがわからないが、沢内までに至る道は非常によく整備されていて、高山のような怖さもない。

今も耕作されているのには交通網の整備も関係しているのだろう。廃村が生きるか死ぬか、プライドが持つか持たないかは環境にもよるところがあるだろう。それがいいことか悪いことかはわからないが…

1戸のために山高く登る電柱だけは、年中ハッキリと文明の息遣いを感じさせてくれる。登ってきた道のりを振り返り、「集落とは何か」を考えさせられる名所といえよう。

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