比内町立八木橋小学校 (やぎはし)
About 比内町立八木橋小学校
秋田県大館市比内町八木橋畠沢岱にある2002年に閉校した学校の跡地。体育館のみ当時の建物が残り、校舎は解体されて地域福祉センターを名乗っている。
スポット評価
終末度合 | 18 |
訪問難度 | 12 |
観光要素 | 13 |
化石価値 | 20 |
総合評価 | 63 |
写真集にも掲載した名建築のひとつである。文句なしの好立地だが、建て替え後の福祉センターとのミスマッチだけがどうも惜しい。鶯野小学校も同じ作りだが、築年数はこちらが上回っているようなので掲載する運びとなった。
比内町立八木橋小学校のさじなげB級ポイント
Yahoo知恵袋にこの学校出身の方による感動的なエピソードが残っている。
どんな学び舎にも思い出に残る人物や出来事があるはずだが、近現代史においてそれらを残すという活動は皆無に等しい。戦前の記憶以外は聞き書き・アーカイブ化してはいけないのだろうか。
使われなくなったグラウンドに西日が刺さりだす。誰かがまたサイレンを鳴らすこともない。
米内沢から道の駅ひないに向かう道中にあり、馬肉が食欲をそそる板戸ドライブインを過ぎたあたりから北上すると八木橋集落に入ることができる。学校は東の端に位置している。
県内でも数える程度となった木造校舎は後ろに隠れ、恥ずかしそうにしていた。
そんな彼女をクラスの輪に入れるのが大人になった我々なのである。かつて入れてもらえなかった記憶を思い返すように、手を差し伸べるだけだ。
木造の鼓動
比内町立八木橋小学校は1878年の開設で、2002年に大館市立西舘小学校へ統合されて閉校した(※比内町は2005年に大館市と合併している)。公民館分館となった後に保健センターに変化したが、周辺にも数十戸しかないため滅多に使われていないようだ。
美しい石碑が残っていると、地域の方がいかにここを愛していたかがよくわかる。
住宅に囲まれ、児童たちも住民に守られながら育っていたのだと感じられる場所だ。
他県では木造校舎をCMやロケ地として貸し出す事例があると聞くが、秋田県内では黒川小(解体済)など限られた場所でしか案内されておらず、実績も乏しい。
数少ない利用可能?な物件であることから、また多くの人が集う日を祈るばかりである。
ちなみに、285号線を3.5km西へ進んだ先に比内町立八木橋小学校小泉分校の跡地がある。
昔は板戸まで厳しい峠越えが必要だったが、アクセスが進化した現代ではそこの方が訪問しやすくなっている(現在は公民館)。すぐそこに木造校舎が残っていることを、道路利用者の0.何%が知っているのだろうか。