保呂瀬温泉 サムネ

保呂瀬温泉 ~恋路の光、心霊の闇~

保呂瀬温泉 (ほろせ)

保呂瀬温泉 外観

About 保呂瀬温泉

秋田県南秋田郡五城目町馬場目字関ヶ沢にある廃温泉旅館。1967年開業で、2000年代初頭にひっそりと姿を消した。90年代後半には県道15号線やトンネルが整備されて多少アクセスは良くなったが、それでも観光地の少ないエリアのため苦戦を強いられたと推察できる。

スポット評価

終末度合い13
訪問難易度10
観光地要素12
化石的価値16
総合評価51

2020年にしてここ単体を明記するページが皆無であることに寂しさを感じてしまう。周辺は豊かな山林に囲まれていることと、道路からの景観では普通の小集落に見えるため見過ごされているのだろうか。

保呂瀬温泉のさじなげB級ポイント

五城目町馬場目といえば近年BABAME BASEなる廃校活用が全国的に注目され、ベンチャー企業のただの遊び場と化しているエリアである。

過去の恋愛事情で一方的な怨念を抱く中嶌からするとあまり好きな場所ではないらしい。それはそうと問題はここの更に奥に位置している。

保呂瀬温泉 保呂瀬トンネル

生鮮村から伸びる県道15号線を直進すると廃校跡(現集落開館)らを抜けて農道に入っていく。12kmほど進むと一度集落は途切れ、心霊スポットと罵られる「保呂瀬トンネル」に到着する。

ここは「荷背ノ峠」と呼ばれ、馬が通れず人が荷物を背負わなければ進めない急な坂道であった。現在はぶち抜かれた隧道が歴史を貫いているが、オカルトファンたちは「近くの橋で自殺した人の霊が出る」などと過疎集落あるあるで無下に盛り上がっているらしい。愉快なものだ。

保呂瀬温泉 入口

隧道を駆け抜けてすぐ右にある道路が温泉への入口だ。
看板などはなく、橋を渡り終えた直後のため見逃しやすい。

少し下って右手に馬場目川が見えてくる。豊かな川のせせらぎだけが味方してくれる梅雨の朝である。すぐ上ると左手に見えるのが保呂瀬温泉(写真左奥)となる。なお入口には「立入禁止」のロープが張られている。

保呂瀬温泉 立入禁止

ここは静養向けの非湯治宿で、すぐそばには「国設恋地スキー場」が整備されてにぎわった時代もあったという。
しかしそれも2006年に廃業し、山荘も数年前に解体されてリフトの残骸と事務所兼倉庫が残るだけとなっている(現在はオフロードパーク扱い)。

清流の流れるほとり湯湧こ出つ
〇〇を代り招き、地名に因んで
保呂瀬温泉と命名して看板を掲ぐ

(中略)創業の灯を守り、
〇〇代にこれを絶やしめんこと

「保呂瀬温泉 開業記念碑」より一部抜粋

建物前には珍しい「開業記念碑」があり、上記のように綴られていた。

一部見づらくなっていたため、近隣一帯は怪しさに包まれているため、是非セットで保存されてほしいと祈る。