塩乃湯 (しおのゆ)
About 塩乃湯
秋田県秋田市土崎港南1丁目13にある休業中の銭湯。2000年代後半に実質的な廃業となり、現在も建物がそのまま残されている。2019年に看板の一部が崩落し、「土乃’易」になってしまった。
スポット評価
終末度合い | 17 |
訪問難易度 | 07 |
観光地要素 | 08 |
化石的価値 | 16 |
総合評価 | 48 |
かつては港名店街と並んで土崎の癒しスポットだった。変わりゆく商店街の景色とともに、港の賑わいとその風景は失われつつある。いつまでも空襲と曳山を引きずるばかりでは次世代はついてこない。
塩乃湯のさじなげB級ポイント
秋田市の大動脈「新国道」は「国道に代わる新しい道路」の意味で、実際は県道である。
このように我々は身近な事柄から目を背けがちな生き物だ。ニセモノIT起業家が町を食い荒らそうとも、ヤラセ婚活パーティーにサクラが蔓延ろうとも手を挙げることはない。今こそ立ち上がろう。
PR方法はダサいでおなじみセリオンにつながる臨港道路と新国道の堺にそれはある。
平成中期までヤンキーシャーマンたちの汗を流した銭湯が建物まま残されている。通り過ぎるにはあまりにももったいない。手前の丸亀製麺で満足している輩は一度南部屋敷で蕎麦を食べるべし。
塩乃湯は1909年に船舶専門の塩卸業者「能吉組」が副業として開いた銭湯で、現在残る建物は1923年の土崎大火翌年に建てられたものだという(参照:秋田市ホームページ)
その外観を見てみると、奥に細長いことがわかる。周辺にも同様の建物が多い。
これは「通りに面する幅で家賃が決められていた」昭和的算段の名残で、駅前通りには顕著に残されている。幼少期の中嶌はそこで剣道竹刀を購入したという。
廃業一番の原因になったと考えられるのが、90年代初頭にオープンし、2010年代前半まで営業していた「みなと温泉あったまり~な」の存在である(現在は有料老人ホームになっている)。
サウナをはじめとした文明の利器を選んだ金髪チャラ男たちは知ってか知らずか、町を去ったいまどちらも廃業する最期を迎えてしまった。高い建物も少ないため、ただただ汗を流す訪問であった。