塩口の古井戸 サムネ

塩口の古井戸 ~オトコは黙って弾丸キック~

塩口の古井戸 (しおぐち)

About 塩口の古井戸

秋田県潟上市天王塩口97にある史跡らしきもの。現在は使用が禁止されており、漬物石みたいなのが置かれて映えのカケラさえ失われている。

スポット評価

終末度合い18
訪問難易度11
観光地要素12
化石的価値14
総合評価55

名に恥じる残念な有様である。地区に井戸を茶化すような天の邪鬼はいないはずだが、ここまでガッチリ塞がれると歓迎されていないような気がしてしまう。当然観光には向かない。

塩口の古井戸のさじなげB級ポイント

こっそりひり出した潟上市天王町初出し物件である。山里がないエリアはだいたいスポット探しに苦労するわけだが、ここは代表石塚のかつての実家がある場所として名低い。

最近はYoutubeも始まり調子づく東湖の人たちだが、観光への距離はだいぶ遠い。グリーンランド以外の資源が乏しく、肝心のそこもタトゥー黙認のため闇属性の人間たちがよく利用しているからだ。

潟上市塩口

それはそうと、旧天王町北部エリアはたいへんに静かな場所だ。生活道のみが現存し、漁に生きた人たちが稲作に興じる昔ながらの街並みを残す隠れた名所である。もちろんおたのしみ要素は無い。

おまけに区画整理もしていないので道が狭く、ドライブにも向かない。中級者向けの道路が続く。

塩口の古井戸 本丸

集落中心部にあるのが「塩口の古井戸」である。肝心かなめの井戸さんが看板でガッツリ隠れており、道中からは要素ひとつ見えないため初見では通り過ぎてしまう人もいることだろう。

標柱さえも石碑に隠れて正面からは見えていない。姉歯建築も泣いて喜ぶ不親切設計である。

景観デザインの敗北
塩口の古井戸 標柱

看板には、こう記されている。

低湿地に田を拓き、八郎潟で漁(すなど)りして生活の糧を得てきた塩口の日飛び地にとって、生活用水を得ることは難儀なものであった。沼や堰に溜まる雨水を飲料水としていた住民によって、地下から湧水する井戸を手に入れたことは画期的なことであり、喜びであった。以来、人々は生命ををつなぐかけがえのないものとして、この井戸を大切に伝存してきた。

平成16年12月3日 天王町教育委員会(原文ママ)


なんだ、立派な史跡じゃないか。

より申し訳ない現在に悲しみが募る。ちなみに湧出のきっかけは、「807年に見知らぬ旅人が大地を一蹴りしたから」らしい。まあこの際そこはよしとしよう。

潟上市塩口 廃屋

かつての旅人は、井戸向かいの廃屋を見て何を想うのだろうか。

その昔悪い水を飲んでいた苦労もなくなりつつあるが、小さな井戸跡だけは先人たちの苦労と歓喜を今に伝えてくれている。もう飲める日はないのだろう。死してなお存在する漢気が感じられた。