雄勝町立湯ノ岱小学校矢地ノ沢分校 (やちのさわ)

About 雄勝町立湯ノ岱小学校矢地ノ沢分校
秋田県湯沢市秋ノ宮矢地ノ沢にある学校跡地。周辺は標高550mの高地にある小集落で、建物は残っていないがグラウンドが地域の運動場として残っている。
スポット評価
終末度合い | 17 |
訪問難易度 | 18 |
観光地要素 | 19 |
化石的価値 | 16 |
総合評価 | 70 |
秋ノ宮のメインエリアから離れ、行き止まり集落ではないものの道中はなかなかに苦労が伴う。だが訪問価値は十分すぎるほどにある。
さじなげB級ポイント
当委員会にも人気の雄勝町秋ノ宮エリアがまたしても道場破りにやってきた。先日掲載した「休養村」の入口の看板をご覧いただこう。
白く囲われている部分が中心地だが、上部の新五郎湯付近は行ったことがいる方も多いはず。看板によればおなじみ荘から下に行ける道路があるはずだ。


坂道に入るとすぐ学校跡のような建物があるが、今回の目的地ではない。ここは2003年に中山小学校と統合された雄勝町立湯ノ岱小学校の敷地跡で、現在は地域コミュニティの拠点として再利用されている。
ここを過ぎるとすぐに狭い林道のような登り坂(下画像)が続く。途中2020年は臨時休業中の稲住温泉が見える。一度廃業したが外部資本によって令和元年に復活した昭和の名建築だが、裏口なので入らずに先へ進むことにした。

ここから集落までの2kmはずっと登りが続く。途中で天然記念物「鮞状珪石」の生産地を示す看板や関連の作業所があるが、ここは冷静にスルー。
草をかき分けるとようやく電柱が見えてくる。少し開けた場所(廃屋跡地)を過ぎると十字路があり、直進するとようやく集落が登場する。(右折で運動場)

矢地ノ沢は1947年に22戸が入植して開拓された集落で、その中心地に雄勝町立湯ノ岱小学校矢地ノ沢分校は1960年に冬季分校として開かれた。
しかし高地での生活は厳しかったのか、離村が相次ぎ1971年に閉校している。集落も3,4戸の高齢農家が静かに暮らすだけとなっている。「秋田・消えた分校の記録」によれば冬期間は山を降りて、湯ノ岱で生活しているのだという。

集落には開拓40周年を記念する石碑も建てられていたが、そう遠くないうちに草木に覆われてしまいそうだ。風光明媚な場所だけにあまりにも勿体ない。
ちなみに南側にあった湯ノ又温泉は2011年に廃業・翌年解体され、入口は堅く閉ざされていた。道中の南北両温泉がもぬけの殻…恵まれないご時世となった。