河辺自然休養村繋沢管理棟 (つなぎさわ)

About 河辺自然休養村繋沢管理棟
秋田県秋田市河辺三内繋沢にある廃墟施設。2002年以降使われた形跡がなく、建物は崩れる寸前で明らかになってしまった。
スポット評価
| 終末度合 | 18 |
| 訪問難度 | 17 |
| 観光要素 | 16 |
| 化石価値 | 19 |
| 総合評価 | 70 |
見過ごしていた、長年温められていたはずなのに。秋田市に関わるものとして切歯扼腕の思いである。いつの間にか町に無関心となった我々が彼を冷ましてしまったのだろうか。
河辺自然休養村繋沢管理棟のさじなげB級ポイント
秋田県人は里に降りる熊たちを目の当たりにし、心の豊かさを知ることになった。
人間が勝手に約束したテリトリーは身勝手で、時に脆かった。山間部への農業支援を怠り、生活圏を都市部に集中させたのは紛れもない自分たちだったはずなのに。

旧河辺町の中心地では、岩見温泉交流センターを起点として廃墟が相まみえている。
しかしおちおちと歩いていられない。いつの間にか生まれ故郷は動物に多数決の原理を奪われつつあるからだ。これがきっと多様性の正解なんだと、この寂しさを時代のせいだとあて付けていた。


ただ我々に断る権利などない。この町に生きる者として、年上からの頼まれごとは絶対なのである。
ふと道路端に見えた小さなトンガリ、彼が何であろうと関係ない。命を生贄に捧げ、ジャージとヘルメットを攻撃表示にしてターンエンドだ。
ドロー、モンスタカード!!


それでは今回の施設を紹介…とはならない。建物前に行くためには、完全に緑で覆われた農道らしき道を進んでいく必要がある。
まさか訪れる無法者はいないと信じたいが、突破を夢見た場合は大きめの蜘蛛4匹との合戦を覚悟していただきたい。この夏河辺で響いた奇声は当委員会に起因するものだ。


河辺自然休養村繋沢管理棟は1978年の建立。看板には「自然休養村事業」とあり、まさかのスパッチェやガーデンハイツと同種族の建物だとわかる。
しかし現地を眺めればわかるが、とてもリゾート地として開発できるようなエリアではない。へそ公園を差し置いて昭和期にまちづくりが計画されていたとは驚きである。

今いる場所は本当に秋田市なのだろうか。廃墟リゾートという概念があれば往々に相応しい。
手元にある1997年のゼンリン河辺町では「コヤ」と記載され利用が感じられない。関連は不明だが、2004年の広報あきたには合併を見据えた「自然休養村管理センター(岩見温泉)」との記述がある。当時の河辺町は岩見温泉を中心として再開発を見据えていたのだろうか。
確かに繋沢エリアは秋田市立山谷小学校への入口ではあるが、一丁目一番地から逸れた管理棟は倉庫的な役割を担っていたのではないかと推測される。

自然と調和する人工物のすがた、それこそ衰退を辿る秋田県の末路そのものだ。
真実は林の中にある。ここはきっと、忘れられたままでよかったはずなのに。申し訳ないことをした。間違いなく、間違いなく二度と来ないことだろう。さようなら管理棟。
分校出身者へのインタビュー冊子もできました。サイトに載せれない情報が大量に…