増田町立西成瀬小学校 (にしなるせ)

About 増田町立西成瀬小学校
秋田県横手市増田町荻袋字真当にある学校跡地。2002年の閉校後、建物がそのまま地区交流センターとして再利用されている。展示物は誰でも自由に観覧できる。
スポット評価
終末度合 | 10 |
訪問難度 | 12 |
観光要素 | 21 |
化石価値 | 21 |
総合評価 | 64 |
県内屈指の有能廃校である。秋田県人はすぐ壊す残すの金かかるだの責任論を振りかざすが、それを決めるのはほかでもない地域住民だ。騒ぐ人たちは地元について考えたことがあるのだろうか。
増田町立西成瀬小学校のさじなげB級ポイント
真実はいつも目の前にある。我々にはかぎわける能力が足りないだけで、事実というものは決して揺るがない。それらがわからないから秋田県で暮らしているわけだ。
西成瀬は以前湯野沢分校の調査時にお世話になった(卒業生をご紹介いただいた)。施設のページを見てもわかるように、他県と並べてもひけをとらない情報収集力を誇っている。

施設手前からもう構えが違う。これは1990年に現在の校舎が建てられたときに造られた「太陽エネルギー時計」なのだ。SDGsの先取り甚だしい。
その栄光を称え、時間は18時45分で停止している。これは持続可能な開発目標の12番「つくる責任 つかう責任」を体現したアート作品なのだろう。


閉校記念碑は「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を実現している。詳細はホームページを見ればわかるじゃないかと、彫刻の無駄を削る名采配を魅せているのだ。
しかし西成瀬の魅力は外見だけではない。その中身をじっくりとご覧いただこう。
よい言葉 よい生活

増田町立西成瀬小学校は1883年の開校。2002年に増田小・増田東小・亀田小と統合して新生増田高校が登場した。西成瀬地域は古くから言語(標準語)教育が盛んで、その名残からか地域活動に従事する方々の意欲が非常に高い。
その実態は完璧なホームページを見れば一目瞭然だ。すべての歴史がここに網羅されている。



館内には一般市民の展示はもちろん、常設で地域の歴史について実に細かくまとめられている。三〇町さんあたりも見習っていただきたい。更に観覧無料という好待遇だ。
秋〇市にいたってはそんな施設自体存在しない気がするが、ひとつ視点を変えるだけでこれほどまで地域に興味を持てるものかと感心する。昭和期の教育が今に活きているのだろうか。


更に興味深いのが、当時の物品も含めて博物館並みに展示されている「吉乃鉱山」の資料たちだ。
公民館レベルを遥かに乗り越えたpdfが示すように、この地域はかつて県南屈指の黒鉱鉱山として栄えた場所だった。横手市民以外はその歴史をほとんど知らないが、院内銀山の知名度が強すぎるので人気の陰に埋もれてしまっている。

この規模感を見てビビる人も多いことだろう。増田町吉野(西成瀬の奥)はかつて事業用の鉄索(ケーブルカー)が十文字駅まで伸びていたこともある一大都市だったのだ。
ちなみに今は隣の東成瀬に魔の手が伸びているという指摘もあるが、それはまた別のお話。

このほかにも写真にして200~300枚、当時の機器や鉱石も多数展示されている。鉱山好きに限らず、既存の秋田県自体に飽きている人たちにはピッタリの隠れスポットといえよう。
豊富な資料は是非現地で確認してほしい。施設の皆さんもとても優しく、丁寧に応対してくれる。いないときも多いが、それはそれでご愛敬だ。
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