小出山荘 (こいで)
About 小出山荘
秋田県大仙市内小友にある廃旅館らしき建物。もはや原型を留めるという概念を見失い、日々その姿を変化させている。
スポット評価
終末度合 | 25 |
訪問難度 | 19 |
観光要素 | 21 |
化石価値 | 25 |
総合評価 | 90 |
廃校たちがまとめてかかろうが撲殺せしめんとす大要塞である。それでいて令和の世に完全に情報が遮断されている要素も見逃せない。納得の90点台をたたき上げた。
小出山荘のさじなげB級ポイント
地図は嘘をつかないが、真実は伝えてくれない。我々は普段メディアや媒体で見る情報というのは画一化された常識の切り取りに過ぎず、閉ざされた世界でしか人間は生きることができない。
情報無く辿り着いた初期物件である小出澤会館はアクセスの悪さもあり、度々足を運んでその眺望に身とれていた。そんな当委員会にある日気になる情報が舞い込んでくる。
道中の写真を見直していると、会館の手前で分かれ道があることが気になった。
それによく見ると電柱も伸びている。こうなるとプライベートの時間は崩壊するため、メルカリ詐欺に逢わないようヤフオクで大曲市の過去地図を仕入れてみた。
すると仕入れた4種類の地図のうち、ひとつにだけ個人名ではなく建物名が書かれている。
どこでも見たことが無い名称。そしてその後消えた地図の四角形…
雪が解けた先で見えたものは蜃気楼ではない。止められた多くの時間が見えていた。
ろうたける弾劾のノイズ
小出山荘…なのだろうか。その名は80年代初頭のわずかな地図にしか見当たらない。
2階建て16部屋はありそうだが、その9割は滑り崩れている。玄関がどこかもわからない。
右にあるのは温泉だろうか。眺めると僅かに男女の入口が存在していた。
建物内には「福乃友酒造」の鏡があったが、調べた限り90年代にはもう営業していないようだ。
規模で見れば天下の名湯滝温泉の旧館を上回る凋落っぷりだ。
解体途中の建物を除けば今まで見た中でもトップクラスの輝き。美しい…
大曲ICが当時無いにせよ、サイトには掲載していないが隣接する南外村や近くの内小友荒山台下りにも廃温泉が乱立している(90年代より前に解体済)。
当時は大曲を外れた宿場町のような扱いだったのだろうか。この行き止まり宿に誰が来るのか想像もつかないが、滝温泉のように何か名物があったのかもしれない。
別シーズンに訪れるとその理由がわかる。豊かな緑は賑やかだった頃を少しだけ思い出しているかのようだった。崩れた監視カメラはもう誰も見つめてはいない。あるのは無だけだった。
手前に分校があったことも加味すると、現代人には知る由もない宝物が内子友地区には存在していたのかもしれない。大仙市は個人を中々ご紹介していただけないが、是非とも当時を知る人物に出会ってみたいものである。有識者がいれば情報を募集したい。