羽後町立仙道中学校 (せんどう)

About 羽後町立仙道中学校
秋田県雄勝郡羽後町下仙道ミロクにある学校跡地。1992年の閉校後、校舎の一部を金属加工業者が買い取った。現在もそのまま再利用しているため、一般人は立ち入り不可。
スポット評価
終末度合 | 20 |
訪問難度 | 22 |
観光要素 | 16 |
化石価値 | 23 |
総合評価 | 81 |
確信が事実に変わるとき、ヒトは多くの学びを得るという。それは観光めいた点だけを訪れるのではなく、意味を持ちそこに立つことでしか成しえないものだ。
羽後町立仙道中学校のさじなげB級ポイント
先日羽後高校の生徒さんたちにお会いする機会があり、この学校について聞いてみたところさっぱりハテナマークが浮かんでいた。危うくふるさと教育のウザおじさんになりかけていた。
話を戻して、本物件は羽後町役場の協力を得て実現したものになる。うかつな現地訪問でも許してくれそうな会社さん(社長が卒業生)ではあったが、部外者は事前に電話を入れた方がよさそうだ。

玄関には寄贈された見事な絵画とともに、男子マラソン第1次黄金時代に活躍した君原健二さんのサインが飾られていた。かつてここに講演に来た際に記したものだという。
そして寿は廃校を利用する羽後ステンレス様の作品だというこれまたあっぱれだ。

毎回通るたびに校舎ではなかろうかと勘繰ってはいたが、やはり当時のもとだと確認がとれたことがうれしい。その証拠にこの外観が長すぎる歴史を物語っている。
社長さんは微糖のBOSS缶を渡し、役場担当者とともに当時の職員室でお話を伺った。
陸の雄 廃の雄


羽後町立仙道中学校は1947年の開校で、はじめは仙道小の敷地内にあった。現在残る建物はなんと1954年に落成したもので、今でも体育館と職員室が現役で使われ続けている。
驚くべきはその内部だ。ほぼ改修もしておらず、「サヨナラ仙道中」の垂れ幕が30年以上掲示され続けているという。さすがに名残惜しすぎるのではないか。

校歌もそのままである。人が使うだけで建物は古くとも長く生きることがよく表れている。木造のため雪下ろしもそこまで行うことは少ないという。
現在残る建物の更に上に生徒たちの校舎があったという。残念ながら92年の閉校(田代・軽井沢と共に高瀬中に統合)後すぐに解体されてしまったそうだ。

1970年の地図にはグラウンド含めハッキリと校舎が映っている。現存するのは上半分で、下の校舎(特別教室?)と坂の上の校舎(普通教室?)を繋いでいるのは屋根付きの渡り階段だったという。
一応玄関裏にある当時のトイレも撮影したのだが、男性の小が壁に向かってするタイプだったのでさすがに時代が違いすぎて驚いてしまった。パリでは最新との噂も…?

そして、坂の上の校舎付近に閉校記念碑が残っている。しかし地元民でも見つけるのは困難だ。
色々書かれていたが、草に覆われて読めないのが悔しかった。また行くしかない。